Item | 内容 Specifications |
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Name | タンブラー ワイルドフラワー アップルグリーン Tumbler Wildflower Apple Green |
Classification | タンブラー Tumbler |
Color | ブルーグリーン(アップルグリーン) Blue-Green (apple green) |
Size | 高さ:9.8 cm, 外径:7.8 cm Height:9.8 cm, Outside Diameter :7.8 cm |
Producer | Adams & Co |
Country | アメリカ合衆国 U.S.A. |
Era | 1874 |
Acquisition Date | 2012年5月13日 |
Information | 【19世紀アンティーク 青緑ウランガラス】 タンブラー |
Comments |
アンティーク マザーグース で入手した。説明によると、透き通った青緑色が美しい古いアメリカンプレスガラスのウランガラスのウォータータンブラーとされる。 ピッツバーグのAdams & Companyの作品で、Wildflower(野の花)というデザインとのこと。 三角形を組み合わせたバンドと楕円を連ねたバンドの間に花を配したデザイン。 グラスの底部も三角形を連ねた三角格子柄となっている。 アメリカのガラスとしてはとても古いもので、1874年ころのものとされる。青緑色のウランガラスでできており、ブラックライトで照らすと綺麗な蛍光を放つ。使用感はあるものの状態はとても良く、表面にスレが入っているが、チップ・ヒビなどは一切なし。酸化セリウムで研磨してみることとした(研磨後は上部のスレが目立たなくなった)。 青緑色のウランガラスはTumbler Crackled No.5 Noble Greenに次いで2個目であるが、蛍光灯下で若干緑がかった水色のブルーの色調はほとんど同じ。 ブルーのウランガラスの生産方法が確立された時期が分からない。1920年代に生産されていたことは確認できているが、1870年代に生産されていたかは不明。以下は調査結果。 (1)セカイモンのオークションにはCreamerやSauce Bowlが出品されている。アンティークかReproduceかは不明と記載されているが、おそらくはReproduceと考えられる。いずれもブラックライトで輝くとされているが、その写真は掲載されていない。 「Creamer」の解説には以下の記述がある。 「I am not sure if this antique EAPG or made somewhat later by L.G.Wright. It is listed in a reference book as Adams & Co. c 1885, and U.S.Glass, c. 1891. Some reproductions starting in 1936. The color is "Apple Green".(これがアンティークEAPGか、L. G.Wrightで後年に製作されたものかは確かではない。リファレンスブックにはAdams & Co. 1885年ごろ、U.S.Glass 1891年ごろ、いくつかの再生産品は1936年からはじまっている。カラーはアップルグリーン。)」 入手したタンブラーの色は「apple green」と同じと考えられる。 (2)VASELINE GLASS Canary to Contemporary, The Comprehensive Guide to Yellow-Green Pattern Glass, Art Glass and Novelties from 1840 to the Present by David A. Petersonの p8 のADAMS & CO.のWILDFLOWER(omn: Adams No. 140, c.1874-1891) の説明は以下のとおり。 『この広く再生産されているパターンは1874年に多様な形態で clear, amber (light and dark), canary, blue, apple greenのいろいろな色で製作された。「canary」 と 「apple green」がブラックライトで蛍光を発する。 1891年の合併の後、同じパターンが、the United States Glass Co. により再生産された。「Identifying Pattern Glass Reproduction by Jenks , Luna & Reilly (1993)」によると再生産は早くとも1936年に始まった。この時期にはgoblet, 10'' square plate, tumblerが再生産された。これらは新しい鋳型によるものでコピーはオリジナルパターンを正確に描写していなかった。後に改良がなされた再生産品が市場に出された。 Wildflowerの再生産品は以下のとおり。(略) Goblet:8 oz., 6"の高さのものはJoe St. Clairが、後にL. G. Wright Glass Co. が生産している。これには上部縁周囲にopalescentがあるものとないものがある。opalescent がないものはJoe St. Clairによるものである。opalescentがあるものはすべて複製品である。L. G. Wright Glass Co.もopalescentのないものも生産している。』 (3)「PatternGlass.com」の「Drinkware Cups, Mugs and Tumblers」⇒「Tumbler」⇒ 「the Second Tumbler WebStore Patterns I thru Z」に「WILDFLOWER Adams #140 ca. 1870s They are 4" tall. Clear $45」 として透明ガラス(clear)と褐色ガラスタイプ(amber)が掲載されていた。デザインと高さは全く同じであった。 ブルーのウランガラスのタイプは掲載されていないので、Adams Glass Co.が同じタイプのWildflowerのタンブラーを1870年代に生産していたことは確認できたが、同時期にブルーのウランガラスのタンブラーが生産されたかは確認できない。 (4)「PatternGlass.com」の「Drinkware Cups, Mugs and Tumblers」⇒「Goblet」⇒「the fifth room of goblets」の最後に「WILDFLOWER is Adam's Glass Co. pattern #140. 」 として clear, amber, blue(複製品), apple green の goblet が掲載されている。ただ、同時に生産されたとされるcanaryは掲載されていない。 「blue」と「apple green」が掲載されているが、「apple green」は見た目ではblueに近い色合いで緑がかった水色。「blue」は青に近い。本品のブルーは蛍光灯下では、ウランの蛍光によって若干緑がかって見え、こころを和ませる温かみのあるやさしい水色である。これが、「apple green」であることが確認できた。これらのことから、入手したのと同じタイプ(apple green)のWildflowerのタンブラーをAdams Glass Co.が1870年代に生産していたことが確認できた。 以上の記述から、ブラックライトで蛍光を発するのは、「canary」 と「apple green」とされていることから、蛍光を発する本品(apple green)は1874-1891年に製作された可能性がある。 (5)Replacements.Ltd.にAdams & Co. のWILDFLOWER-BLUEのカタログが掲載されているが、Wildflower1874のパターンと同じであることが分かった。カタログ にはWildflower-Amber, Blue, Clearの3色がある。ただ、Blueと記載されており、apple green とはされていないが、写真 で見る限りReplacementのカタログにある製品の色もおなじく緑がかったやさしい水色(apple green)である。ただ、Vaseline glass とはどこにも記載されていない。現在、注文に応じて販売されている模様。 (6)「Wildflower Apple Green Goblet」を入手して比較した結果、@本品の方がwildflowerの模様がより緻密である。ただ、十分にとまではいえない。また、本体には、より落ち着きがある。A色がほんのわずかではあるが青みがかっている。 (7)「Wildflower Canary Tumbler」を入手したが、比較したところ「Canary」の方が模様が緻密であり、オリジナルであると考えられた。したがって、この「Apple Green」はオリジナルではなく、1936年以降に生産されたものと考えられる。 |
Remarks | BLACK LIGHT 10973(12075), 0.2, 270g, (○) |