ウランガラス研索日記
Uranium Glass Search Diary Part 6 (2016.1〜12)



ウランガラス ギャラリー Uranium Glass Gallery (⇒生産国別)

ゴブレット Goblet









タンブラー Tumbler





















ロック グラス Rock Glass





ショット グラス Shot Glass







カップ Cup



スプーン立て Spooner



ノン ウランガラス ページ Non Uranium Glass Page




新聞の記事 で関心のあったウランガラスをたまたま手に入れたことからウランガラスを研索(「けんさく」は「研」究と検「索」からの造語)することとした。対象は使って楽しめるグラス類とし、その記録を「ウランガラス研索日記」としてまとめることとした(2010.12.11)。また、情報収集のため、ウランガラス同好会 に入会する(2010.12.13)と共に、Uranium Glass Antenna を作成した(2011.1.1)。

ウランガラス はボへミア(現在のチェコ共和国)の Franz Xaver Anton Riedel フランツ・クサファー・アントン・リーデル(1782−1844)によって開発され、1830年代には量産されていたとされる。また、珍しい蛍光色と二色性を持つ、もっとも有名なウランガラスの名称も、リーデルによるもので「アンナゲルプ Annagelb 」(アンナの黄色)と「エレオノーレングリュン Eleonorengrun」(エレオノーラの緑)は、フランツ・リーデルの二人の娘 Anna Maria Theresa Riedel と Eleonora Riedel にちなんで名づけられたとされている。

ウランガラスの魅力 はその妖しい色合い。一般にみられるのは、イエロータイプ(米国ではワセリンガラス Vaseline glass と呼ばれている)かグリーンタイプ であるが、その中間の色合い、また、ブルーブラウン(琥珀色)タイプ、さらにはルビナ ベルデ(Rubina Verde) のような赤系のタイプもある。ウランガラスはブラックライト(紫外線)を当てると緑色の蛍光を発する。したがって、光線中の紫外線の量によって蛍光の発光量が変化するので妖しい色合いとなる。

ウランガラスは蛍光灯下でみるのがよい。蛍光灯からは紫外線が出ているので、室内でも妖しい色合いが醸しだされる。イエロータイプは蛍光灯の下では緑がかってみえ、グリーンタイプ はグリーンがさらに鮮やかにみえる。また、ブルータイプ は緑がかってやさしい水色にみえる。さらに琥珀色タイプ では琥珀色とグリーンが混ざりこの上もない美しさがある。この妖しい美しさがウランガラスの魅力である。

ウランガラスの収集をはじめてから1年近く経過して、玉石混交ではあるが、ようやくコレクションらしくなってきたので、「ウランガラスギャラリー」 をページに追加した。なお、ギャラリーは、ゴブレットタンブラーロックグラスショットグラスカップスプーナー などに分けて、写真(96X127)のみを掲載し、この写真からそれぞれのグラスのページにリンクすることとした(2011.11.28)。また、生産国別のギャラリー を作成した(2016.1.13)。

さらに、ウランガラス収集の過程で入手した蛍光を発するグラス類の「ノン ウランガラス ページ」 を掲載した(2012.10.5)。

ウランガラスギャラリーに掲載されているウランガラスはオークションサイト:セカイモン により米国から入手したものがほとんどである。米国では一般的に、Yellow または Canary 色のウランガラスは、 ワセリンガラス(vaseline glass) と呼ばれている。

米国におけるウランガラス生産は、1800年代半ばから始まった模様で、1800年代後半から1910年代までに製造されたウランガラスは 「Eary American Pattern Glass(EAPG)」 として知られている。ただ、これら独特なデザインの EAPG は人気があることから、1910年以降、複製品 が多数生産されている。

また、1920年代から40年代にかけて米国で生産されたウランガラスは「Depression Glass(恐慌ガラス)」 と呼ばれている。そのデザインは実用的なシンプルなもので EAPG とは一見して見分けができる。現在でも米国のいくつかのガラスメーカーはウランガラスを生産している。使用しているウランは劣化ウランとされている。

米国では南北戦争(1861〜65年)以外に戦災がなかったため、古くからのウランガラスが数多く現存している。また、ボへミアなど海外から輸入されたウランガラスも残存していると考えられる。そのため、オークションには米国で生産されたもののみならずボへミアなど海外で生産されたと考えられるウランガラスも出品されている(2014.10.31)。

ウランガラス研索日記 Uranium Glass Search Diary Part 7(2017.1〜)
ウランガラス研索日記 Uranium Glass Search Diary Part 5(2015.1〜12)
ウランガラス研索日記 Uranium Glass Search Diary Part 4(2014.1〜12)
ウランガラス研索日記 Uranium Glass Search Diary Part 3(2013.1〜12)
ウランガラス研索日記 Uranium Glass Search Diary Part 2(2012.1〜12)
ウランガラス研索日記 Uranium Glass Search Diary Part 1(2010.12〜2011.12)

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月日年内容
8/25/2016

タンブラー ルビナ ヴェルデ ポルカ ドット U
TUMBLER RUBINA VERDE POLKA DOT



セカイモンで入手した。タイトルは BEAUTIFUL HOBBS VICTORIAN CRANBERRY VASELINE RUBINA VERDE COINDOT TUMBLER 1880'S とされ、Hobbs Brockunier 社が1880年代に製作したものとされる。説明には,「a really beautiful Victorian Hobbs Cranberry Vaseline Rubina Verde Inverted Thumbprint Tumbler produced during the 1880's(1880年代の美しいホッブス・ビクトリア朝のクランベリー・ワセリン RUBINAヴェルデ 逆サンバープリント タンブラー)」とされる。

すでに入手している「タンブラー ルビナ ヴェルデ ポルカ ドット TUMBLER RUBINA VERDE POLKA DOT」 と同じで2個目。少し暗い所で見ると、クランベリーレッドが濃く美しい。

Vaseline Glass colectors Inc. 同様なタンブラー  がピッチャーとセットとして掲載されており、Geo. Duncan & Sons.により、作成されたとされている。

The bulbous Rubina Verde POLKA DOT water sets (left) was made by Geo. Duncan & Sons. The way to tell the difference is in the reeded handle. Duncan and Hobbs both made this shape, but Hobbs used a smooth handle.

鮮やかなクランベリーレッドとグリーンのバイカラーのEAPG。先に入手した1個目のタンブラーと比較すると、バイカラーの配色(景色)は若干異なっているが、ガラスの色合いはレッドとグリーン共に同ロットと思われるくらいで全く同じ「写真」(左:1個目の Rubina Verde POLKA DOT、右:2個目の Rubina Verde POLKA DOT U 右が少し濃く写っているが、左側の光源の蛍光灯から遠いため)。


(左:Rubina Verde POLKA DOT、右:Rubina Verde POLKA DOT U)


8/24/2016

タンブラー ギリンダーサンズ マッキーブラザーズ
Tumbler Gilinder & Sons McKee Brothers



セカイモンで入手した。説明によると、Gilinder & Sons McKee Brothers のグリーンのワセリンガラスのタンブラーで、「HOBNAIL CANE」のパターンとされる。また、Depression時代のものとされている。

Vaseline Glass Collectors, Inc.The Manufactures Gallery によると、「Gilinder & Sons」は1861年にフィラデルフィアで創業の会社とされ、1930年代も生産しており、現在も「Gillinder Glass」 として存続している。また、 「Identifying Pattern Glass Reproductions」(EAPGの複製品に関する書籍)によると、「Mckee Brothers」は1850年にピッツバーグで創業の会社で当初社名は「F & J.McKee」とされ、1853年に社名を「Mckee Brothers」とし、1860年に「McKee & Brothers」とした。その後、1899年に「National Glass」と合併し、「McKee & Bros. Glass Works」として操業していた。1900年代になって社名は変遷し、1951年に買収された後、1962年に至って「McKee」の名前は消滅したとされる。

なお、「HOBNAIL CANE」のパターンは「Gilinder & Sons」「Mckee Brothers」社の製品にあることを確認できなかった。

やさしいペールグリーンの美しいウランガラスのタンブラー。色は和ガラスのウランガラスにみられるやさしいグリーンと似ている。日光が当たると美しく発色する。



パターンは「McKee Brothers」社の 「Eary American Pattern Glass(EAPG)」である「HOBNAIL CANE?」と考えられるが、「Gilinder & Sons」社が「Depression時代( 1930〜40年代)」 に生産した複製品と見られる。

ただ、「EAPG」にはこのようなやさしいペールグリーンの発色をするタンブラーは見当たらないので(ほとんどがカナリー)、「EAPG」の複製品とみるよりも、「Gilinder & Sons」社の「Depression Glass」としてみた方が適切かもしれない。

3/25/2016

ブレナム隕石 Brenham Meterolite




カンラン石が美しいブレナム石鉄隕石(Pallasite):ブレナム隕石スライス:6.3×5.5×3.5 mm, 40,3g。

ウィキペディア には、石鉄隕石について、以下の説明が記載されている。

『石鉄隕石(せきてついんせき)は、ほぼ等量の鉄‐ニッケル合金とケイ酸塩鉱物からなる隕石である。鉄隕石や石質隕石に比べ非常に希で、2万2507個中116個しかない。分化した小惑星のマントルが起源と考えられている。なおこれに対し、核が鉄隕石、地殻がエイコンドライトとなる。

石鉄隕石は、パラサイト (pallasite) とメソシデライト (mesosiderite) に分類される。これらは、マントル由来でほぼ等量の鉄‐ニッケル合金とケイ酸塩鉱物からなるというほかは、共通点は少ない。ロドラナイト (lodranite) を含めることもあるが、近年はロドラナイトはエイコンドライトに含められる。

パラサイトは、丸みのある粗粒状の橄欖岩と、その間を埋める切れ目のない網目状の鉄‐ニッケル合金からなる。下部マントルのケイ酸塩と鉄-ニッケル合金のエマルションが固化したと考えられている。

メソシデライトは、異なる鉱物組成の岩石破片の集積体である。金属部分はオクタヘドライト、ケイ酸塩部分は斜長石、カルシウム輝石などからなり、それぞれが角ばった破片状になっている。天体衝突の産物と考えられている。』

また、ヤフー知恵袋:「高価なパラサイト、石鉄隕石について」パラサイトの中でもエスケル、イミラックなどはブラヒン、ブレナムなどに比べてはるかに高額ですがその理由はなんですか。 には以下の説明が記載されている。

『イミラックも、カンラン石を含まない部分とかなら安値(1g500円前後)で売られてる事もあります。

大まかに、パラサイト隕石の価値は、希少性、含まれるカンラン石の量や大きさ、カンラン石の質(色の濃さ、ひび、風化による変色)などでしょう。

国際隕石学会のHPのデータベースによるとイミラックは920kg、エスケル755kg、ブラヒン831kg、ブレナム4.3t回収量はそこまで大差ある訳ではないですね。

おそらく、パラサイト隕石に含まれるカンラン石の質の違いでしょう。地球で産出するカンラン石は、ペリドットという名の宝石として流通するように、緑色の鉱物です。

パラサイト隕石に含まれるカンラン石も元は緑色なのですが、地球で産出するカンラン石と違って鉄分を豊富に含むことから、地球に落下後風化が進み、含まれる鉄分が酸化することで茶色く変色してしまいます。風化が酷くなると、完全に茶色く濁った透明度の低いカンラン石になったり、カンラン石がひびだらけになったりすることで価値が下がります。(風化の程度は、落下隕石ではなく全て発見隕石なので、落ちてから回収されるまでの年月、落下場所の環境、隕石の大きさ次第で変わります。)

私もそこまで色々な隕石を見てきたわけではないですが、ブラヒンやブレナムは、そのような風化の影響が強い(カンラン石が茶色に変色したものが多い)イメージがありますね。

逆に、エスケル隕石は、カンラン石(英名:オリビン)のオリーブ色(緑色)をよく保ったきれいなパラサイト隕石として有名です。

イミラックも、部位によってはオリーブ色のカンラン石を持つ部分があるので、そのような部位が高いのだと思います。※イミラックは、非常に沢山の大小さまざまな破片が回収されており、部位によってカンラン石の含み具合や風化の具合も様々です。

興味があればですが、こちらのサイト:『Meteoritical Bulletin: Search the Database』 で隕石名(英語:Esquel、Imilac、Brahin、Brenham)を入れて検索すれば、隕石の大雑把な情報と共に、いくつかの隕石の写真も見ることができます。』

2/11/2016

ゴブレット ヘイセイ マリーゴールド Goblet HEISEY MARIGOLD (その2)

10時ごろ、日光が窓辺に当っていたので、取り出しておいてみると、すばらしい発色。本棚にも日光が入っていたが、本棚のガラス戸を通過した日光でも十分に発色して美しい。時間の経過とともに日光が変わり、それにつれて発色も変わってゆく。ヘイセイ マリーゴールドは優れもの。発色だけからいうとこれは絶品!!!直射日光でなくとも部屋の明るさでも本箱内で緑色の発色が認められる。

琥珀色のウランガラスに日光が当たった発色はほんとうにすばらしい。イエロータイプ以上の美しさがある。写真ではこの美しさが十分にとらえきれていない。





ちなみにガラス戸の外(6p)で放射活性を測定してみると、バックグラウンドと同程度しかないので、ガラス戸には放射活性の遮蔽効果のあることが分かった。また、アクリルケース(3mm)の遮蔽効果を測定してみたところ、効果はあるもののガラス戸ほどではなかった。以前、アルミ箔で遮蔽してみたが、全く遮蔽効果はなかった。

放射活性の測定は、放射線測定器「SOEKS-01M」(ロシア製) で行った。

2/10/2016

ギベオン隕石 Gibeon Meterolite

2011年12月11日のウランガラス研索日記「ウランガラスとの出会い」の記載、

『第19回東京ミネラルショーを見学、目的は化石(変成アンモナイト)と隕石。2-3年前に切り口が美しい隕鉄が展示されていた。新聞記事(日経2008.5.22) に掲載されて関心のあったウランガラスが展示販売されているのを偶然発見し、チェコ製ショットグラス 1個を衝動買い。』

その時の目的であった切り口のウィドマンシュテッテン構造の美しい隕石(ギベオン隕石:鉄隕石)を入手したので、いつも手近に見られるようにアクリル製の写真立てに入れたが、宇宙のロマンを感じる。HPにupしてみた。

ギベオン隕石(Gibeon meteorite):ギベオン隕石スライス:4.5×4.2×0.2 cm, 35.4 g, ナミビア産:Great Nama Land, Namibia



ウィキペディア には以下の説明が記載されている。

『ギベオン隕石(ギベオンいんせき、Gibeon meteorite)は現在のナミビア・ハルダプ州で発見された鉄隕石である。ギボン隕石とも。約4億5千万年前に地球に落下したと考えられている。
隕石は現地人により、槍などの武器を作るのに使用されていた。ヨーロッパ人によって最初の破片が発見されたのは1836年で、イギリス人のJ. E. アレクサンダーによってグレートフィッシュ川で採集されてロンドンに送られ、ジョン・ハーシェルによって隕石であることが確認された。
隕石は大気中に突入したときに爆発し、数千の破片が390 x 120 kmの範囲に落下したとされる。トータルで26000kgの破片が回収されている。IV A型のファイン・オクタヘドライトに分類される。化学成分は鉄91.8%、ニッケル7.7%、コバルト0.5%、リン0.04%、ガリウム1.97 ppm、ゲルマニウム0.111 ppm、イリジウム2.4 ppmなどである。
細かい網目状のウィドマンシュテッテン構造をもち、装飾品としても流通している。』

また、iStone隕石の博物館 には以下の説明が記載されている。

『ギベオン隕石はアフリカのナミビアのギベオンで発見された。写真はギベオン隕石をスライスの後、切断面を研磨して酸処理したもの。黒い部分は硫化鉄。金属部は鉄ニッケル合金で、網目状の模様はウィドマンシュテッテン構造と呼ばれている。この模様が形成された原因は、以下のような鉄ニッケル合金の特性である。
 一様にニッケルが分布する鉄ニッケル合金を加熱融解後、極めてゆっくり冷却した場合、900℃でニッケルの少ない部分とニッケルの多い部分に分かれ始める。この分離過程は350℃ぐらいまで続く。ニッケルの少ない部分は、多い部分に比べて酸に溶けやすい。よって、酸処理を行うと、溶け具合の差が模様となって現れる。このようにして、ウィドマンシュテッテン構造は形成される。また、冷却の速さが遅いほど、分離過程は進行する。逆に言えば、分離程度(ウィドマンシュテッテン構造)から、冷却に要した時間が見積もることができる。それによると、鉄隕石に観られるウィドマンシュテッテン構造を形成するには、100万年以上要することが分かる。合成することは不可能である。』

2/5/2016

ゴブレット ヘイセイ マリーゴールド Goblet HEISEY MARIGOLD



セカイモンで入手した。説明では、Newark Ohio の MARIGOLD HEISEY GLASS が 1929年に生産した 「TWIST」パターン(No. 1252)の LARGE DINNER WATER GOBLET とされ、色はブラックライトで蛍光を発する IRIDESCENT MARIGOLD (虹色・真珠色マリーゴールド)とされている。また、1929年1年間しか生産されなかったとされる。

(Here is a very rare piece of MARIGOLD HEISEY GLASS that was made in 1929 in Newark Ohio. The PATTERN is TWIST and this is a LARGE DINNER WATER GOBLET. It measures 7" tall. It is completely colored with IRIDESCENT MARIGOLD that is florescent under a black light. When held to daylight there is a production anomaly associated with this color. To get the brilliant sparkling gold the formula contained uranium salts . Examination of many pieces of glass that used this process gives the appearance that the glass has faint lines in the color. It is a very rare piece. It has bright polished shine. Displays beautifully. IT WAS ONLY MADE THIS ONE YEAR SO IS VERY HARD TO FIND A PERFECT PIECE. IF YOU WANT A NICE PIECE OF COLORED HEISEY FOR YOUR COLLECTION THIS IS A GREAT EXAMPLE.)

VASELINE GLASS Canary to Contemporary, The Comprehensive Guide to Yellow-Green Pattern Glass, Art Glass and Novelties from 1840 to the Present by David A. Peterson の p175 の HEISEY GLASS の説明では、「Heisey の Marigold はブラックライト照射下で暗い緑色を示す蛍光を伴うワセリンガラスとは思われない深く豊かなカラー。ガラス組成が不安定で、ガラス表面に結晶が発生する。それによりガラスはサテンガラスよりも不鮮明になってしまう。骨董屋がシュガリングと称する致命的な欠陥である。それがひとたび Heisey Marigold の製品に起これば不可逆的な問題となる。このカラーは1929年から30年に作成された。」と記述されている。なお、本誌には Heisey Marigold の製品の写真は掲載されていない。

(The Heisey "Marigold," is a deep, rich color that with fluoresce under a blacklight by showing a dark green color. It is not considered vaseline glass. It was an unstable formula of glass, causing some piece to crystallize or show crazing on the glass surface. It makes the glass appear almost semi-opaque and it is more pronounced than satin glass. Some antique dealers refer to this as sugaring, as it sounds less fatal to a piece of glass. It is an irreversible problem once it shows up on a piece of Heisey Marigold. This color was only made in 1929-30.)

セカイモンに ブラックライトで蛍光を発する HEISEY MARYGOLD の TWIST パターン(pattern No.1252)の1928年製とされるフットタンブラー が出品されていた。ほかにも HEISEY MARYGOLD とされる製品が数点出品されていたが、ブラックライト照射下で蛍光を発するものは少ないことが分かった。また、蛍光を発するがいわゆるシュガリング がみられるような出品もみられた。

琥珀色のウランガラスとしては、「Ando's Uranglass Gallery」展示室3-5 英国ビクトリアンなどのウランガラス に同じRoyal Brieley社製とされる(5)ワイングラス(ラマー:Rummer)が掲載されている。また、展示室3-3 イギリスやフランス、ベルギーなどのウランガラス に同じ琥珀色のワイングラス(21) Rummer:イギリス、メーカー不詳、1930頃、H14.3cm(自然光でも緑がかって見える)が掲載されている。

琥珀色のウランガラスとしては、スウェーデンの「 TOPARZ TURKEY TRACKS TUMBLER」 と英国の「Wine Goblet Royal Brier」 を入手しているが、米国の琥珀色のウランガラスは、「Golden Banana Tumber」 に次いで2個目。

1929年の HEISEY MARIGOLD とされているが、デザインもシンプルで Depression 時代(1920〜30年代) に生産されたとみられる。自然光下でもグリーンが発色して琥珀色と混ざり美しい。この発色は琥珀色のワイングラス(21) Rummer:イギリス、メーカー不詳、1930年頃、H14.3cm(自然光でも緑がかって見える)と同等以上である。琥珀色のウランガラスは、自然光下(写真1写真2)や蛍光灯下 で、イエローのウランガラスよりも発色に深みがあり、えも言われぬ美しさがある。



ただ、放射活性が非常に高い。琥珀色のウランガラスは放射活性が高い傾向がある。

2/4/2016

ボへミアン ビーダーマイヤー タンブラー エナメル
BOHEMIAN BIEDERMEIE TUMBLER ENAMEL



セカイモンで入手した。説明書では、生産者は不明であるが、1850年代のボヘミヤ製のビーダーマイヤー様式(時代)のタンブラーとされる。

イエローのウランガラスで、蛍光灯下での緑色の蛍光が美しく、重量感もある。エナメルでやわらかな絵柄が描かれており、金線が剥がれている部分もあるが、ほぼ原形をとどめている。ただ、内面に若干の曇りがある。酸化セリウムで研磨するとよいかもしれない。

典型的なボヘミアン タンブラー。放射活性も高く、BIEDERMEIER時代、1850年代のものと見られる。

2/3/2016

タンブラー デウェイ Tumbler Dewey



セカイモンで入手した。説明では、イエロー・カナリーのウオータータンブラーで、人気のある Deweyパターンとされる。また、スペイン・アメリカ戦争を記念して、1898年に Indiana Greentown の「Indiana Tumbler & Goblet Company」により作成されたとされる。

「IDENTIFYING Pattern Glass REPRODUCTIONS, BILL JENKS・JERRY LUNA・DARRYL REILLY, WALLACE-HOMESTEAD BOOK COMPANY, Radnor,Pennsylvania(EAPGの複製品の専門書)」p98 には、このパターンの初めの名称は「Flower Flange」であり、生産会社の「Indiana Tumbler & Goblet Company」が、Dewey 提督のアメリカ・スペイン戦争の戦勝記念として、「Dewey」にリネームしたとされている。後に、「Dewey」は、「Indiana Glass Company of Dunkirk, Indiana」が、1904年まで生産したとされている。また、この「Dewey」パターンの複製品は Butter dish のみであるとされている。

以上から、本タンブラーはオリジナルとみられる。ただ、ガラスが新しい感じがする。

2/2/2016

ワイングラス No.6 イエロー Wine Glass No.6 Yellow


ワイングラス No.6 グリーン Wineglass No.6 Green


ワイングラス No.6 ノーブルグリーン Wine Glass Noble Green



Lapo から入手した。Lapo発注のチェコ製オリジナル製品とのこと。チェコのウランガラスは美しい。 グリーン、イエロー、ノーブルグリーンを入手したので、3点セット(左からグリーン、イエロー、ノーブルグリーン)となっている。蛍光灯下の写真ではグリーンといえろーの区別がつかない。



1/22/2016
ウランガラスの着色について

吉岡さんのコメント:「なお、ウランの元々の色は黄色なので、黄色UGが最もきれいな緑色蛍光がでます。ウラン以外の着色剤が入ると、着色剤の金属に紫外線が吸収され、ウランの蛍光が弱くなります。(波長は変わらないので、蛍光は同じ緑色です)そういう訳で、青色UGや緑色UGの蛍光は、黄色UGより弱くなります。」

1/11/2016
骨董ジャンボリー 「魅惑の光:ウランガラス」特別展 日本ウランガラス同好会(7)

特別展のパンフレット:日本ウランガラス同好会・会員コレクションとして出展会員名が記載されている。よい記念になった。



吉岡さん撮影のウランガラス「特別展」の動画、解説付きで分かりやすい。



妖精の森ガラス美術館から入手したウランガラス専用紫外線LED回転台の動画を見つけた。実際に試してみたが、実にウランガラスが美しく見える。UVのLEDが回転して点灯し、台自体も回転させることができる優れもの。UV-LEDも以前購入した展示台ものよりも高輝度。アクリルのカバーをかぶせれば万全。



ウランガラス特別展の記事(一部の写真も)が、ドイツのガラス雑誌「pressglas-korrespondenz(プレスガラス通信)」に掲載された。

「月刊キュリオマガジン2016年3月号」 の記事「骨董ジャンボリー2016開催」に「ウランガラス特別展」 が紹介されている。また、同雑誌4月号の記事「世の中にはいろんなものを必死に集めている人がいる」Vol.37として「魅惑の光 ウランガラス ウランガラスコレクター 吉岡律夫」 の記事が掲載されている。

1/10/2016
骨董ジャンボリー「魅惑の光:ウランガラス」特別展 日本ウランガラス同好会(6)

第3日目(第2日目は都合により不参加:苫米地会長の講演 を聞けなかったのが心残り)。11時30分ごろに到着。骨董ジャンボリー入口から特別展会場、特別展会場内の動画を撮影。なお、第1日目の動画の一部を補充して特別展の動画を編集した。また、特別展の展示品を撮影(一部は8日撮影したもの)。なお、掲載してある動画、写真はご自由にお使い下さい。



妖精の森ガラス美術館の展示(左)、今回の出展ウランガラス12点 の展示状況(右)


秋本コレクション(米国フェントン社製)(左)、吉岡会員のゴブレット(トロフィー)と花瓶(右下)


安東コレクション(左)、Ludwig 氏コレクション(右)


Ludwig氏コレクション(左)、吉岡コレクション(右)


「ネックレスまでは吉岡コレクション、それより右は大井コレクション」(左)、大井コレクション(右)


大井コレクション(左・右)


坂崎コレクション(左)と大森コレクション(右)


会員の皆さんから絶賛された Ludwigさんのタンブラー


なんともいえない緑色がすばらしい吉岡さんのトロフィー(ゴブレット):トルコ人が描かれていて、鑑定書が付いているとのこと。


馬の絵がかかれている吉岡さんのタンブラー(2010年復刻版):鹿のタンブラーと記念撮影することとした。


馬(大井さん所蔵)と鹿の絵(合せて馬鹿)のタンブラー2点(左)、馬(吉岡さん所蔵:復刻品)と馬(大井さん所蔵:復刻品と比較してガラスがうすいが、復刻品の可能性もあり)と鹿の絵:復刻品と比較してガラスがうすいが、復刻品の可能性もあり)のタンブラー合せて大馬鹿3点(右)


琥珀色のゴブレット:ロイヤル・ブライアリー(左)、緑の発色が美しい安東さん所蔵品(右)


大森コレクションの時計:すばらしい時計のこの写真が日経記事(2008年5月22日) に掲載されており、ウランガラス収集のきっかけとなった。


17時に撤収。会員の皆様と情報交換ができてとても有意義な特別展への出展であった。今回販売用の5点も持参したが、スペースの関係で展示することとなった。もっと気に入っているものを持っていけばよかった。

今回の出展は所蔵品を会員の皆様から評価をしていただくためであったが、評価の概要は以下のとおり。

1)「タンブラー ルビーの雫U (米国、Hobbs, Brockunier & Co.、1884年)」 「タンブラー ルビナ ヴェルデ(Hobbs, Brockunier & Co.、1880〜90年代)」 「タンブラー ルビナ ベルデ アートグラス(米国、生産者不明、1880〜90年代 )」 の3点は、妖精の森ガラス美術館の畠山館長から米国のウランガラスは日本には少ないので初めて見たとの評価をいただいた。特に「タンブラー ルビーの雫U (米国、Hobbs, Brockunier & Co.、1884年)」はルビナヴェルデの説明用に最適との評価。見学者からもとても美しいとの評価。

2)「ボへミアン ビーダーマイヤー タンブラー(ボヘミヤ、生産者不明、1840〜60年代)」 「サンバープリント ボへミアン ゴブレット(ボヘミヤ、生産者不明、1850〜60年代)」 の2点はガラスが劣化して着色していることから古いものとの評価。

3)「ゴブレット ビーダーマイヤ ビーカー (ボヘミヤ、生産者不明、1850年代)」 「ボへミアン ビーダーマイヤー ビーカー メダリオン(ボヘミア、生産者不明、1840〜1860年代)」 はガラスがきれいすぎるが、吉岡さん所蔵の2010年製作の復刻品のガラスと類似しているのと評価。

4)「ボヘミアンフットタンブラー(ボヘミア、生産者不明、1860〜80年代)」 は見学者から非常に美しいとの評価。

5)「ワインゴブレット ロイヤル・ブライアリー(英国、Royal Brierley、1930〜40年代)」 は安東コレクションの琥珀色のゴブレット の発色の素晴らしさから同様のものを探して入手したもの。安東さんからご自身の所蔵品よりもデザインなどしっかりしているとの評価。並んで撮影できたが発色は安東さん所蔵品の方が一段上。

6)「ゴブレット レッドクリフ シデナム(米国、Fenton、1930〜40年代 )」 は見学者から独特の青が美しいとの評価。

7)「ゴブレット ヴァレンシア ワッフル アップルグリーン(米国、Adams and Co.、1880年代)」 は見学者からデザインが美しいとの評価。

8)「バカラ フット タンブラー (フランス、Creusot Factory、1830年代〜40年代)」 は地味なデザインのためか評価なし。

以上の評価を踏まえて、今後、所蔵品についての記述などを含め、再評価を行いたい。また、現在のギャラリーの用途別展示のほかに、生産国別生産時期別の展示も作成したい。

今回の特別展に参加・出展させていただいて、本当によかった。同好会による最後のウランガラス展 とのことであるが、機会があればまた参加させていただきたい。お世話になった幹事の吉岡さん、大井さんはじめ会員の皆様に感謝。

ウランガラス特別展の記事(一部の写真も)が、ドイツのガラス雑誌「pressglas-korrespondenz(プレスガラス通信)」に掲載された。

1/8/2016
骨董ジャンボリー「魅惑の光:ウランガラス」特別展 日本ウランガラス同好会(5)

第1日目。出展する12点を持参して展示。午前遅く到着したが、展示場所を確保しておいていただいた。展示場所はウランガラスの歴史のパネルのすぐ下。見栄えの良いように配置したが、見学者から、歴史パネルのすぐ下なのに歴史順にならんでいないとの指摘があった。

写真撮影したが、会場が暗いのでうまく撮れていない箇所があった。会場の順路順に沿って以下のとおり(不足箇所は後日補充の予定、また、動画も後日再編集の上掲載の予定)。



妖精の森ガラス美術館の展示(左)、出展12点の展示状況(右)


秋本コレクション(左)、安東コレクション(右)




販売コーナー(左)


特別展会場入口から


今回の出展の目的は出展品をウランガラス同好会会員に評価していただくため。妖精の森ガラス美術館の畠山館長から米国のクランベリーレッドのウランガラスは日本で初めて見たとの評価をいただいた。さらに吉岡さん、大井さん、安東さんはじめ会員の方々からもまずまずの評価をいただいた。

また、畠山館長からは貴重なウランガラスの論文をいただいた。今回で最後の同好会の展示とのことであったので参加させていただいたが、会員の皆様との情報交換ができ、ほんとうによかった。吉岡・大井幹事はじめ会員の皆様に感謝。

1/6/2016
骨董ジャンボリー「魅惑の光:ウランガラス」特別展 日本ウランガラス同好会(4)

販売できるとのことで、5点を選定し、持参することとした。

1/5/2016
ウランガラスのワイングラス3点(イエロー、グリーン、ノーブルグリーン)をLapoに発注。

1/1/2016
骨董ジャンボリー「魅惑の光:ウランガラス」特別展 日本ウランガラス同好会(3)

出展ウランガラス12点の説明ラベルを作成。



上段左から、「ワインゴブレット ロイヤル・ブライアリー(英国、Royal Brierley、1930〜40年代)」「ゴブレット レッドクリフ シデナム(米国、Fenton、1930〜40年代 )」「ゴブレット ヴァレンシア ワッフル アップルグリーン(米国、Adams and Co.、1880年代)」「ゴブレット ビーダーマイヤ ビーカー (ボヘミヤ、生産者不明、1850年代)」「サンバープリント ボへミアン ゴブレット (ボヘミヤ、生産者不明、1850〜60年代)」「ボへミアン ビーダーマイヤー ビーカー メダリオン(ボヘミア、生産者不明、1840〜1860年代)」

下段左から、「タンブラー ルビーの雫U (米国、Hobbs, Brockunier & Co.、1884年)」「タンブラー ルビナ ヴェルデ(Hobbs, Brockunier & Co.、1880〜90年代)」「タンブラー ルビナ ベルデ アートグラス(米国、生産者不明、1880〜90年代 )」「ボへミアン ビーダーマイヤー タンブラー(ボヘミヤ、生産者不明、1840〜60年代)」「バカラ フット タンブラー (フランス、Creusot Factory、1830年代〜40年代)」「ボヘミアンフットタンブラー(ボヘミア、生産者不明、1860〜80年代)」


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