「旋回軸ユニット」の搭載


旋回軸ユニットの組立用の部品を整えた。現在のKHR-1を分解することなく、旋回軸ユニットを組み立てるため、以前搭載した拡張4自由度ユニットのサーボ4個、ギヤの修理のための予備のサーボ2個を利用することとした。

拡張4自由度ユニットの左右の足の旋回軸のサーボCH18,CH24を、今回の旋回軸のCH18,CH24にそのまま使用することとした。また、腕旋回軸のサーボCH4,10は、追加オプションとしていつでも腕の旋回軸を追加搭載できるようにそのまま残しておくこととした。

また、CH13とCH19には、同CHに使用していたサーボのギヤをすべて交換した予備のサーボ2個を使用することとした。

腕の付け根のCH1とCH7には今回の旋回軸ユニットに付属しているサーボ2個を使用することとし、ショルダーサポーターは本体からはずして使用するこことした。また、頭部用のサーボ1個と電源コード1本を調達した。これで旋回軸ユニットを装備した胴体部分の部品がそろった。

旋回軸ユニットを装備した胴体部分の製作を開始した。

(1)@旋回軸CH18,CH24をセット。足付け根CH13,CH19をセット。
A腕の付け根のCH1,CH7を組み立て。



(2)@ボディーフレームを装着。
A腕の付け根のCH1,CH7をセット。



(3)@センターフレームを装着。
Aフロントユニットの組み立て



(4)@新たに調達したヘッドサーボCH6をボディーフレームに取り付けた。
A電源コードを胸の穴から出るようセットした後、ボディーを組み立てた。これでボディーが完成した。



旋回軸ユニットを搭載したボディーが完成した。旋回軸の回転は背中側のフリーホーンが邪魔になって60°程度までしか回転しないようだ。加速度センサーは頭部サーボに取り付けるとして、ジャイロを搭載する場所がない。マニュアルにはジャイロ搭載を推奨しているのだが。

(5)@フロントカバーを線に沿ってはさみで切り取った。
Aスポンジを貼り付けて完成。
B実際にカバーを装着した。ボディーピンが少しきついがこれくらいが丁度よいのかもしれない。取り外すときはラジオペンチを使用。

配線を間違えないようにサーボのコードの端子にCH番号を書き込んだ。これで組み立て準備完了。



旋回軸ユニット搭載にあたり、RCB-1の現在空いているCHの割付けを行った。
CH18,CH24は足旋回軸用(前回の拡張4自由度搭載と同じ)、CH4,CH10は腕旋回軸用(前回の拡張4自由度搭載と同じ)としていつでも搭載可能なように保留、CH12は加速度センサーの制御用(CH24からCH12へ変更)、CH5,CH11は新たなパーツ制御用として保留した。今後、新規に使用できるCHはCH5,CH11の2チャンネルの1組のみとなった。

したがって、旋回軸搭載後、まず既存のモーションのCHを変更をしなければならない。次に現行のモーションでの動作確認後実施し、モーションの変更調整はその後行うこととした。

旋回軸ユニットを搭載した。旋回軸ユニットを搭載した胴体部分を現在のKHR-1の胴体部分を交換する作業となった。



(6)@CH1,CH7のサーボにショルダーサポーターを取り付けた。
Aサーボアームを取り付けた。
B腕を胴体に取り付け。



(7)@足の部分を取り外した。
Aモモガッチリ板をこの際に取り付けた。
Bクロスアームを分解してロングアームと組み立てた。
C足を取り付け。



(8)@RCB-1からサーボコードを外す。
ARCB-1を旋回軸ユニット搭載の胴体へ移設。
BセンサーコントロールユニットもPCBベースに付けたまま移設。
Cジャイロは移設場所がないので旧胴体につけたままとりはずす。
D加速度センサーも移設せず。旧頭部につけたままとりはずす。

(9)@移設したRCB-1へ各サーボコードを接続。
AH&Hを起動して動作試験。すべて作動。
B電池搭載してカバー取り付け。
Cうらのカバーを取り付け。

(10)以前のホームポジションで試験。



ようやく旋回軸ユニットの搭載作業を完了した。重量が幾分増加したようだ。また、身長が幾分高くなったようだ。したがって、重心が上方へ移動したと考えられる。
旋回軸ユニットを搭載した状態でのモーション作動のチェックを行った。

まず、@トリムの調整を行った。その後、Aもとのホームポジションと従来のモーションの動作をチェックした。最初に前進のモーションの作動をチェックした。前進のモーションにはCH18,CH24の旋回軸CHに225の情報が入っているので、信号が出力されておらず、サーボがフリーになっており、自由に動くことが判明した。したがって、B全てのモーションデータのCH18を225→0、CH24を225→0へEXCEL上で変換した。その後、Cモーションをすべて入れ替えた。

Dすべてのモーションの作動をチェックした。結果は以下のとおり。

前進○、早足△(後半足がもつれる)、駆け足×(前につんのめる)、後退○、左横△、右横△、左旋回○、右旋回○、前転×(起き上がれない)、後転×(起き上がれない)、腕立て伏せ×(起き上がれない)、倒立×(起き上がれない)、うつ伏せからの起き上がり×(起き上がれない)、上向けからの起き上がり×(起き上がれない)。

最初の印象のとおり、上半身がサーボモーター2個と追加部品で重量が増加して、重心が上方に移動している。そのため、ほとんどの起き上がり動作ができなくなっている。 ホームポジションを修正(CH15:115→112、CH21:65→68)しても、結果は同じであった。

CH13,CH19のサーボに負担がかかるようだ。金属のギヤが発売されるとのことであるが、いずれ交換したい。

ジャイロの設置場所がなくなったので、とりはずしたが、ジャイロ搭載の効果も検証する必要がある。頭のサーボの後ろ側にでも設置してみるか。加速度センサーは、その後に搭載試験の予定。

旋回軸ユニット搭載で見た目はとても逞しくなったが、操縦性は低下する。やはりオリジナルのKHR-1のバランスが最高と思われる。2個のサーボ追加は電源にも負担がかかる。電池の消耗も早くなろう。要は旋回軸をモーション作成にいかに生かせるか!だろう。

モーションの修正を試みた。特に起き上がれなくなっているので、起き上がりのモーションの部分を修正することとした。

旋回軸ユニットの搭載でサーボモーター2個と部品による重量増加で、予想以上にCH14,15,CH20,21のサーボに負担がかかっている。サーボが正常に働かない。重量に負けている。モーションを工夫したが、難しい。

サーボのギヤが消耗しているのが原因の可能性があるので、足のCH14,15,16とCH20,21,22のサーボのギヤを交換して再度試みることとした。

これで起き上がることができなければ、サーボの力不足で、旋回軸ユニットの搭載を止めざるを得ない。それにしても、ギヤの消耗ですぐに動作しなくなるようではもともと少し無理があるのかもしれない。

旋回軸ユニットの搭載でサーボが2個加わって、電源への負荷も増加している。CH6の頭部のサーボは歩行モーション以外はほとんど使用していないので、ソケットはずして通電せずにして負荷を減らすとよいかもしれない。差し引き1個のサーボの増加にとどまる。CH6にはほとんど負荷がかかっていないので、どれほどの効果があるか不明であるが、試してみる価値はありそう。

旋回軸ユニットに加えて、さらに両手の旋回軸を搭載するオプションもあるが、上半身の重量増加と下半身のサーボのトルクを考えると、不可能に近い。これを実現するためには、下半身に強力なサーボを搭載し、電源もパワーアップする必要があろう。

足のCH14,15,16とCH20,21,22のサーボのギヤを交換した。各サーボのギヤには特段の磨耗は認められなかったがすべて新しいギヤと交換した。トリム調整後、先日修正した起き上がりモーションを試してみたが、失敗だった。ギヤの交換の効果はほとんどない。ただ、サーボの「遊び」が小さくなったようだ。モーションを工夫するしかないようだ。起き上がりのモーションをいくつか試したがやはり失敗。

CH15とCH21のサーボのトルクが十分に発揮できないのが原因であるのは明らかである。以前入手しておいたオフセットアームAの説明書を見るとサーボの取り付け角度をずらす効果があることが分かった。起き上がりで力が出ないのはサーボが0°あるいは180°の状態から本体全体を持ち上げるモーションになっているからで、一般的に考えて、トルクは90°の状態で最大の力がでると考えられるので、90°±45°で本体全体を持ち上げるモーションにしないと力が出ないのではないかと考えた。

オフセットアームAを取り付けて起き上がりができるか試すことにした。説明書に従い、
@CH15とCH21のサーボのアームを取り外す。
AオフセットアームAをCH15とCH21のサーボホーンへ取り付ける。なお、この際、サーボホーンの位置は90°でオフセットアームのい取り付ける穴を45°ずらして取り付ける。



Bホームポジションの再設定。CH14(90→115)、CH15(90→130)、CH16(90→115)、CH20(90→65)、CH21(90→50)、CH22(90→65)。



CPCのファイルに保存してあるモーションデータを再度呼び込む。試験のためにうつ伏せからの起き上がりのモーション(M10)を呼び込む。

なお、KHR-1に使用しているRCB-1は、保存したモーションデータを再度呼び込むことで、そのときのホームポジションからの相対データとして再計算するとのことで、これまでに作成したモーションデータはそのまま使用できる可能性があるとのこと。

Dうつ伏せからの起き上がりのモーション実行。

結果は大成功であった。なんなく旋回軸ユニットを搭載したKHR-1が起き上がった。オフセットアームAのCH15とCH21のサーボへの搭載によってうつ伏せからの起き上がりは成功したので、すべてのモーションを再度導入して動作をチェックした。

結果は、試験したうつ伏せからのモーションのみで動作がうまくはたらくだけで、他のモーションでは起き上がりに成功しなかった。

うつ伏せからの起き上がりのモーションの入ったものは修正することができたが、上向けからの起き上がりは不可能であった。理由は、やはり足の部分のサーボの力不足で、旋回軸を搭載した上半身の重量を持ち上げられないこと。どのようにモーションを工夫しても難しいことが分かった。

旋回軸付のモーションについては、近日、公開が予定されているとのこと。当面はその情報をみて以後どうするか判断したい。とりあえず写真には残すこととした。




[ゲストブック] [Robot Contents] [Top Page]