マイロボット「BT-R2HV」の製作 Part 1



1.Roppoタイプの新型小型二足歩行ロボットのコンセプト

イトーレイネツ製SC-R78XをベースとしたRoppo型ロボット「BT-R2HV」を製作することした。サーボはKRS-788HVを6個使用し、各足2軸、腕に2個を配置する(これで起上りが可能となる)。コントロールボードはRCB-1HV(BLACK TIGERをHV化するときに入手したがRCB-3HVに更新時に余剰となったもの)を1枚使用。ブラケットはSC-78X-Aを2個、サーボアーム700Aを2個使用する。

「BT-R」と「BT-R2HV」の主な違いは、サーボをHV化してパワーアップしていることと、足のロール軸サーボを横にして使う(BT-R)か、縦にして使う(BT-R2HV)かの違い。充電池はリポを使用予定。

命名はBLACK TIGER Roppo型2号機の位置づけとし、サーボとコントロールボードはHV化されたものを使用していることから「BT-R2HV」とした。

2.機体の製作

「BT-R2HV」を組み立てた。機体は「BT-R」より少し背が低いが、これは足のサーボを縦にして使用しているため。RCB-1HVをサーボタブスペーサーを挟んで機体にで取り付けた。 H&Hのサーボ割り当てを「BT-R」と同じに設定した。これは「BT-R」モーションを利用するため。これでほぼ完成。あとは腕部分の取り付けだが、「BT-R」とほぼ同じ形を予定(起上モーションのために1.5cmの台付きねじ4本で手を長くする)。



3.機体コンセプトの変更

イトーレイネツ製SC-R78XをベースとしたRoppo型ロボット「BT-R2HV」のプロトタイプを製作してあったが、腕先のサーボを追加して「BT-R」の手先を取り付け完成させた。

動作試験を行ったところ、脚間が短く「BT-R」のモーションを転用できないことが判明した。「BT-R」とほぼ同等の機体の製作が在庫部品で可能であり、コンセプトを変更し「BT-R」とほぼ同じ機体の「BT-R2HV」にすることした。

(1)機体仕様
サーボはKRS-788HVを8個使用し、各足2軸、各腕に2個を配置した8軸の機体。コントロールボードはRCB-1HVを1枚使用。サーボアームはアルミ製に変えてサーボアーム700Aを使用した。「BT-R」には足裏にKHR-1の初期の「拡張4自由度ユニット」の足裏を使用しているが、この足裏を「BT-R2HV」に使用し、「BT-R」はKHR-1の足裏に置き換えた。

(2)モーションの設定
「BT-R」のRCB-1に保存されているモーションを書き出してモーションリストを作成、それを「BT-R2HV」に書き込んだ。外部コントローラーのモーション配置も同様とした。モーションを再生して動作を確認した。

(3)無線受信機と充電池の設置
無線受信機は「BTーR」と同位置に設置、充電池も機体のバランスを考慮して「BT-R」と同じ機体の下側に設置しマジックテープで固定することとした。

(4)機体レギュレーションの検討

1)Roppo大会レギュレーションは以下のとおり。

1.2足歩行ロボットであること。(できればRoppoであること) 1体のロボットの両足に使用するサーボモータ数は、4個以下であること。
2.重量は700g以下であること。(バッテリーを含む)
3.横幅は20cm以下であること。高さに制限はありません。
4.足裏(片足)のサイズは90mm×50mm以内であること。
5.腕の長さは腕軸から150mm以下とします。
6.足裏にゴム等を貼り付けるのは許可します。
7.足裏意外にゴム等の滑りが悪くなる材質を意図的に貼り付けるのは禁止。
8.コントロールは有線、無線どちらでも参加できます。
9.一部レギュレーション外の機体であっても、見た目があからさまに弱そうな機体などは例外的に参加を認めることがあります。

「BT-R」の足裏はKHR-1の足裏を使用しているので 93 ox43 o、「BT-R2HV」はKHR-1の初期の「拡張4自由度ユニット」の足裏を使用しているので、103 mm x 46 mm であり、いずれの足裏も合致していない。 また、腕の長さも165 oと合致していない。 Roppo型としているが「Roppo」ではないので当然でもある。

2)チロルチョコロボット大会レギュレーション

次のいずれかを満たすこと。
1.【チロルロボット規格】
i.ビックチロルサイズである、底面(100mm×100mm)、上面(86mm×86mm)、高さ46mm (多少の誤差はOK)のチロルチョコを模した外装を装着すること。 同サイズであれば、どのようなモノでもOKだが、一部競技で上部に「かご」を設置するため、ある程度の強度を確保すること。
※「かご」の固定には、輪ゴムやマジックテープなどを想定しています。
ii.2足歩行ロボットであること。
iii.1体のロボットの足に使用できる(サーボ)モータ数は、4個以下とする。
※総(サーボ)モータ数は問いません。
※当然(サーボ)モータ1つでメカ的に二足歩行を行うなども問題ありません。
iv.ロボットは自律、有線または無線など、コントロール方法は自由とする。

2.【U1K規格】
i.過去直近に行われた大会での規格に準ずる。
※これは本大会向けに追加するチロルチョコ外装・発射機構を含まない状態での条件です
ii.ビックチロルサイズである、底面(100mm×100mm)、上面(86mm×86mm)、高さ46mm (多少の誤差はOK)のチロルチョコを模した外装を装着すること。 同サイズであれば、どのようなモノでもOKだが、一部競技で上部に「かご」を設置するため、ある程度の強度を確保すること。
※「かご」の固定には、輪ゴムやマジックテープなどを想定しています。

本レギュレーションは「足に使用できる(サーボ)モータ数は4個以下」と「ビックチロルサイズである、底面(100mm×100mm)、上面(86mm×86mm)、高さ46mm (多少の誤差はOK)のチロルチョコを模した外装を装着すること。」であるが、「BT-R」「BT-RHV」いずれも合致している。

「BT-R2HV」 2013.9 

KHR-1:Roppo型HV 二足歩行ロボット(8軸)


(5)今後の方針
モーションの微調整と足裏にゴム装着、飛び道具の装着を検討。6Vの充電池の在庫は1個であるので「BT-R」は殿堂入りとし、今後は「BT-R2HV」をRoppo機の後継主力機体とする。



4.チロルチョコロボット大会9

(1)事前準備
4月19日(土)開催の「チロルチョコロボット大会9」に参加するため、BT-R2HVを整備した。チロルチョコロボット大会参加は2010年2月13日開催の「チロルチョコロボット大会4」以来、2回目。

@足裏の交換
「BT-R2HV」はKHR-1の初期の「拡張4自由度ユニット」の足裏(103 mm x 46 mm)を使用しているが、旋回時に足が反対の足に引っ掛かるので、「BT-R」のKHR-1の足裏(93 ox43 o)と交換した。これにより旋回がスムースにできるようになった。

A足裏全体に滑り止めのゴムを張り付けた。



B発射体の取付
発射体は手動でも可となっているので、100Yenショップで入手した2連のプラスチック製の発射体をワンタッチテープで取り付けることとした(脱着可能)。



Cかごの取付
「かご」は取り外し可能で、内径60o以下とされているので、330mlのevianのペットボトル(内径60mm)を 高さ80oに切り取って作成した。また、底を滑り憎くするために底に「ソルトディンブル」を取り付けた。本体への「かご」の取り付けはワンタッチタープで脱着可能にした。



なお、「BT-R2HV」に「BT-R」の足裏及び腕を使用したこと、また、6Vの充電池の在庫がないことから、「BT-R」を解体することとした。今後のチロルチョコロボット大会参加機体は「BT-R2HV」のみとした。

(2)第9回チロルチョコロボット大会

「チロルチョコロボット大会9」に「BT-R2HV」で参加した。会場は秋葉原ダイビル2F studio ASIMO。参加機体は、BT-R2HV、Zチロモン、がる〜、ぼさ2号、プチロ。



総合1位は「Zチロモン」総合2位は「がるー」、「BT-R2HV」は2m障害物ダッシュは3位、チョコっとシューティングは5位、チョコゲッターは1位で総合3位。

2m障害物ダッシュ


チョコっとシューティング


チョコゲッター




今後の課題
@前進モーションが不正確、左右横移動も曲がりすぎる。
A射撃の際の方向調整モーションが大き過ぎるので、小さめのモーションに変更
B射撃の銃の位置が高いので、低くするか、前傾にする
Cチョコゲッターでは前進モーションでは転倒することが分かった。
D射撃は手動発射でなく自動発射にしたい。
E適当な発射体を探す。

5.チロルチョコロボット大会10

(1)事前準備
第10回から競技の内容が変更になったため、BT-R2HVを改造した。幅が168o以下にする必要から、腕を撤去した。また、Lipoを搭載場所を強化した。とりあえず動作を確認した。改造機は「BT-R3HV」とした。



(2)第10回チロルチョコロボット大会

秋葉原ロボットアイルで開催されたチロルチョコロボット大会10 にロッポ型機「BT-R3HV」で参加した。参加機体は本機を含めて9機。



ぐるっとダッシュ


チョコっとシューティング


チョコモッター


「BT-R3HV」は、ぐるっとダッシュ:1回目106.3秒、2回目55.9秒で4位、チョコっとシューティング:9個、チョコモッター:51個で総合4位。

1位:テルル(A4さん)
2位:Zチロモン(元いいんちょさん)
3位:ガルキッド(くままさん)
エレガンス賞:ゼムネス(二名川さん)

6.「BT-R2HV」の解体

「BT-R2HV」は、 KHR-1をベースとしたロッポ型機。コントロールボードにRCB-1HVを採用し、サーボはKRS-788HVを8個(各脚2軸、腕2軸)使用したHV化機。「BT-R」はじめ従来のロッポ型機に比べてパワーアップしている。

「BT-R2HV」 2013.9 

KHR-1:Roppo型HV 二足歩行ロボット(8軸)


2015年2月14日、秋葉原ロボットアイルで開催されたチロルチョコロボット大会10 に、レギュレーションに合わせるため両腕を撤去した「BT-R3HV]として参加し、総合4位。



金沢へ転居後、ようやく時間がとれて、保有ロボットの見直しを行ったが、「BT-R2HV(BT-R3HV)」は役目を終えたと判断し引退させ、解体することとした。活躍に感謝(2015.7.26)。



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