マイロボットIKT-1の製作



KHR-1 HV コンバージョンキットが発売されて購入すべきか検討してきたが、KHR-1 HV コンバージョンキットを入手することとした。目的は、@ノーマルでは操作不能であった「旋回軸ユニット」をHVで操作すること(このためKRS788HVを1個追加入手した)Aコンバージョンキットで置換したサーボ17個、RCB-1(ノーマル)、KHR-1の胴体パーツと保有しているオプションパーツ等(「拡張4自由度ユニット」、「KHR-1ボディパーツキット」(KRS-2350ICS用:ROBO-1 Technical Conference 6で配布)、オフセットアームA 等)を有効利用して、KHR-1をベースとしたオリジナルロボットを1体作成することであった。

KRS784ICS、KRS788ICSのオプションパーツがイトーレイネツから、11月下旬に2種類、SC-78X-A( \ 1,995)、SC-78X-B(\ 2,205)が発売され、更に2種類が予定されているとのこと。

これで、すでに発売されているKRS-784/KRS786ICS用のサーボアーム700Aとイトーレイネツのオプションパーツを組み合わせれば、ロボット1体作成できる見通しが得られた。

今回作成する1体をIKT-1【IK(EDA)T(sutomu )-1】と命名し、現段階で入手可能なパーツを組み合わせた IKT-1仕様 を作成した(この仕様は順次改良の予定)。第1段階としてKHR-1をベースとしたKHR-1類似の1体を再構築する(目的:オリジナルロボット作成につながるノウハウを得るため)。第2段階として、これを改作して独自性の高い1体を作成する(最終目標)。

(1)胴体部分の製作

IKT-1仕様にしたがって胴体部分を作成した。KHR-1の胴体部分にCH1,CH7サーボにショルダサポーターとオフセットアームAを取り付けた。また、荷重がかかり破損しやすいCH13,CH18サーボのギヤを金属製に交換した。これらのサーボにはアルミ製のアームをクロスで取り付けた。胴体部分はこれでほぼ完成。写真を掲載した。なお、SC-78X-Bの取り付けにはアルミ製のアームではできないことが分かり、サーボアーム700Aに仕様を変更した。



(2)足と足首部分の製作

IKT-1仕様にしたがって足と足首部分を作成した。足の部分は拡張4自由度ユニットの足部分の旋回用部分を除いたものをベースとして、足サーボを取り付け、サーボアーム700A(ポリカーボネート製でホーン部を含む)を2個クロスで取り付け、さらに足首サーボを取り付けた。ただし、足裏はまだ取り付けない。写真を掲載した。



(3)脚部分の製作と胴体への取り付け

脚部分はアルミアームにSC-78X-Bを介して取り付ける仕様であったが、ネジ穴が合わないことが分かったので、アルミアームに代えてサーボアーム700AとSC-78X-Bを介して脚部を取り付けることに変更し、IKT-1仕様 の修正を行った。

サーボアーム700AとSC-78X-Bを介してサーボを取り付けた。



足首のサーボにSC-78X-Aを介して膝のサーボを取り付けた。



胴体部分に脚部を接続した。



ロボットらしくなってきた。脚はSC-78X-Bを使用したのでKHR-1とほぼ同じ長さになっている。 サーボアーム700A  はプラスチック製、 SC-78X-A & SC-78X-B  はアルミが少ないのでKHR-1よりも軽量になっている。

SC-78X-A & SC-78X-Bの使い方についてのポイントとして、サーボの出っ張りにはめ込む場合、ほんの心持やすりで磨くとはまりやすい。すごく軽量で精巧にできている。ピタリはまる。使いやすい。

サーボアーム700Aの使い方のポイントとして、プラスチックだがネジを締め込むときに力が必要でネジをつぶしやすい。ネジにぴったりのすこし大きめの十字ドライバーを使うこと。アルミのアームよりも使い易いかもしれない。コードが擦れて断線する危険が少ないように思う。

(4)腕部分の製作と胴体への取り付け

手の部分にもサーボを使用し、サーボ3個を連結した。



腕を胴体に取り付けた。腕の取り付けには当初オフセットアームAを使用する予定だったが、手の長さが長くなりすぎるのと、手の動きをスムースにするために、KHR-1のアルミアームに変更した。これでIKT-1が完成した。延長コードも必要に応じて使用して、RCB-1へ接続した。手の先端のサーボには予備CHとしておいたCH5,CH11を当てることにした。

配線はナイロンストラップを使用してサーボアーム700Aに留めた。



トリムの調整をした。サーボアーム700Aはサーボホーンとは違って正しい位置に必ずしも差し込むことができないのでトリム調整が必要となる。ただ、5°以内にはほぼ収まる。

ホームポジションは直立する形をとらせることとした。



(5)足裏の取り付け

接着剤アロンアルファにより拡張4自由度ユニットの足旋回軸用の足裏を取り付けた。接着剤の強度は不明。これで全ての部品の装着を終えた。



(6)腕サーボ軸の変更と手先の取り付け

腕のCH3,CH9のサーボの向きを90°回転させて取り付けた。手の部分のサーボCh5,CH11は元と同じとした。これにより腕に旋回軸を取り付けた場合とほぼ同等の効果が期待できそう。

また、手の部分のCH5,CH11のサーボにSC-78X-Aを取り付けてサーボアーム700Aを指として取り付けた。これにより手のサーボが保護され、腕先が長くなることにより攻撃のリーチが長くなることが期待できそう。



手先の部品の追加はSC-78X-Aが1組、サーボアーム700Aが2個のみで、重量の増加はわずかで サーボへの負担も大きくないと考えられる。ただ、腕のモーションの変更は必要となる。 写真を掲載した。



(7)脚部サーボーアーム700AからオフセットアームAへの変更

IKT-1の歩行のモーションがうまく作成できないので、脚部分を改造することとした。脚部分のCH14,CH20のサーボアーム700Aに代えてオフセットアームAを取り付けることとした。

@オフセットアームAに2.0mmのハンドドリルで穴をあけた。ハンドドリルは100YEN-SHOPで入手したものを使用したがアルミは穴あけが容易であった。



Aサーボアーム700Aに代えてSC-78X-Aをつないで固定した。固定するときにネジがゆるくなるので、ハンドドリルでの穴あけは小さめで止めた方がよい。



今回のサーボアーム700AからオフセットアームAへの交換により脚の構造がKHR-1に近づいた。また、サーボーアーム700A使用時はサーボの動作範囲が狭められていたが、サーボの動作範囲が広がった。



ホームポジションを作成し直した。写真を掲載した。



(8)脚部サーボーアーム700AからオフセットアームAへの変更 その2

IKT-1の歩行モーションの改良のため、脚部分のCH14,CH20のサーボアーム700Aに代えてオフセットアームAを取り付けたが、やはり歩行モーション作成がうまくいかないので、オフセットアームAを移動し、膝のCH15,CH21に取り付けた。

ホームポジションを作成し直した。写真を掲載した。



(9)サーボアーム700Aを黒塗装

IKT-1のサーボアーム700Aを黒に塗装した。落ち着いた感じになった。



IKT-1が完成した。製作過程で必要に応じて IKT-1仕様 を修正した。

IKT-1設計のコンセプトは以下のとおりであるが、IKT-1を設計・製作してみて、KHR-1の設計の工夫もわかった。

1. IKT-1について
KHR-1搭載のサーボのHV化により余剰となったKRS700サーボと、いままで入手した旋回軸ユニット、拡張4自由度ユニットなどを有効利用するとともに、新たに入手可能となったKRS-784/786/788HV対応ブラケットであるSC-78X-A、SC-78X-B やサーボアーム700Aを使用して、オリジナルロボット1体を作成することとし、第1段階としてKHR-1とほぼ同等のモデルを再構築する。

2. 脚部について
・ 足はサーボを単に縦に直結すると長くなるが、重心が高くなり、歩行などの安定性確保が難しくなる。
・ KHR-1では2個のサーボを一部重ねてセットしている。これは胴体と脚基部のサーボの距離を短くし、足を短くして重心を低くし、重心を後ろへ移動するなどの効果があると考えられる。
・ IKT-1では脚基部にSA-7X-Bを用いてサーボを横にして足の長さを抑えた。また、SC-78X-Bは胴体と脚基部のサーボの距離を短くする効果がある。ただ、脚基部のサーボの動作角度が制限されて小さくなる。
・歩行モーションがスムースでないので脚部分のCH15,CH21のサーボアーム700Aに代えてオフセットアームAを取り付けた。

3. 旋回軸搭載について
・ 旋回軸は機能の高度化には必要である。ただ、横方向への迅速な移動ができれば、特段の問題はないと考えられる。
・ KHR-1に搭載されているサーボKRS784のトルク(パワー)8.7 kg/cmの限界がある。旋回軸ユニットを搭載してみたが、追加した旋回軸搭載分2個のサーボとフレーム重量の負荷はモーションの工夫では克服できず、起き上がることができなかった。ただ、サーボをHVタイプに替えることにより難なくクリヤーできた。
・ IKT-1に旋回軸を追加するとすれば、拡張4自由度ユニットのように足に旋回軸を取り付けて胴体へ負荷を少なくする方法か、胴体部分に旋回軸を取り付けるならHV化、ハイクラスのサーボ使用などサーボのパワーアップを図る方法しかない。現状では有効な旋回軸を取り付けるためのフレームも考えつかないので、旋回軸は搭載しないこととした。

4. 腕について
・ ロボットファイトを想定すると腕の高度化(旋回軸)、長さ、重さは必須である。ただ、サーボの追加による重量増加は起き上がりモーションなどを困難にする。
・ IKT-1には、旋回軸を搭載するためのフレームも考えつかず、手の部分にサーボを使用し、3軸として高度化を図った。また、2番目のサーボ軸を90°回転させて取り付け旋回軸搭載とほぼ同程度の効果があるようにした。これで長さと重さも確保できた。
・手の部分のサーボの保護とリーチを長くするために、サーボにSC-78X-Aを取り付けてサーボアーム700Aを指として取り付けた。
・腕の付け根に当初オフセットアームAを使用する予定だったが、手の長さが長くなりすぎるのと、手の動きをスムースにするために、KHR-1のアルミアームに変更した。

5. 頭部について
・ 頭は歩行のときに左右に動くのみで、特にほかに機能はない。サーボ1個分の重量と電池への負荷は削減可能である。
・ IKT-1では、腕にサーボを各1個追加するので、重量負荷軽減のために、頭部サーボは容器のみで使用することとした。
・ サーボ容器には発光ダイオードで眼を取り付けることも可能と考えられる。なお、電源(6V)はサーボ用端子から使用できる。

6. 足裏について
・足裏は拡張4自由度ユニットの足旋回軸用の足裏を利用した。ラージソールより重量がある。接着剤(アロンアルファー)の強度は不明であるが、接着剤で取り付けることとした。


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