マイロボット「BLACK TIGER ZETA 」の製作 Part 2


「BLACK TIGER ZETA」は平行リンク足マーキュリー搭載の自律バトル専用機として製作してきたが、当初想定していた自律バトルにおける「NEO」の運動性、機動性の維持、UPが図れず、「ZETA」への平行リンク足搭載を断念した。「ZETA」については、構想を転換し、足構造を「NEO」とほぼ同じにして、新コントロールボード「RCB-4HV」を搭載した新自律バトルシステム試験機(センサー動作電圧5V:広角USSx4,PSD:GP2Y0A21 x4〜6)とし、また、自律バトル専用機から「NEO」と同じ自律バトル機能搭載多目的機とすることとした。

1.改訂新機体「ZETA」製作の基本的考え方(コンセプト)

(1)自律バトル機能搭載多目的機。
(2)機体構造・デザインは「NEO」を踏襲。
(3)新コントロールボードRCB-4HV等新システムを搭載(新システム試験機)。
(4)RCB-4HV対応の自律バトルシステム(センサー動作電圧5V:広角USSx4+GP2Y0A21x4〜6)を構築・搭載(新自律バトルシステム試験機)。 (5)最大軸数23軸(当面は足旋回軸除く21軸)サーボはKRS-4013HVを使用(足ロール軸にはKRS-4014HV)。
(6)機体重量は3kg以下を想定。

2.新機体「ZETA」仕様(現段階での仕様で順次改訂の予定)

(1) コントロールボード:RCB-4HV (1)脚部:イトーレイネツ製部品
(2)胴体部分:「メリッサ」
(3)胴体旋回軸搭載、足旋回軸なし(増設可能)
(4)腕:リーチを長く(120%)
(5)足裏:バスタブソール+ラージソール
(6)コントロールボード:RCB-4HV(センサーボード不要)
(7)センサー:広角USSx4、PSD:GP2Y0A21x4〜6
(8)無線中継器:KRI-3
(8)ボードカバー:KHR-3HVバックパック

3.機体の製作

(1)腕部分の組み立て



(2)脚部分の組み立て

胴体下部を取り付けて配線。



(3)胴体の組み立て

胴体上部の配線。



(4)機体の組み立て

胴体に腕を取り付けて接続配線。下半身を取り付けて接続配線。RCB4HVを機体に取り付けてすべての配線が完了。



(5)サーボのIDの設定

RCB-4HVに通電してサーボが動作するか確認、動作しないサーボはコネクタを入れ替えるなどして動作を確認した。

間違えないようにサーボに赤、黄、青、緑のテープでIDを貼り付け、IDの再設定を実施した。「BLACK TIGERZETA ID一覧」 を作成した。

(6)ニュートラル設定

プロジェクトを開いてトリムポジションの確認を行った。左半身は動作してトリムの調整ができたが、右半身は一部サーボがフリーでトリムの調整ができない。配線が接触不良などにより不完全なためと考えられる。コネクタの差し替えを行ったところ、右半身も動作して、トリムの調整を完了。

(7)ホームポジションの設定

設定途中で左半身のID2,3が動作しなくなった。コードとコネクタには異常がないようなので、差し込むサーボを反対にしたところ、動作するようになった。daisy chain は信号線のコネクタの接触の状況が微妙に影響するようだ。慣れてくると解決するかもしれない。

トリムポジションから腕のみ両脇に下げた姿勢をホームポジションとして、腕のサーボのみトリムで調整。ROMに保存して、電源をOFF後、再度電源をONして、ポームポジションへの移動を確認。ホームポジションの設定を完了。

(8)バックパックの搭載

KHR-3HVのバックパックを入手して「ZETA」に取り付けた。従来のボードカバーセットよりロボットの背中がしっかりする。ボードへの配線に若干の工夫が必要。

(9)ジャイロの搭載

ピッチ軸のジャイロセンサーとロール軸のジャイロセンサーを左側のパーツマウントに設置。RCB-4HVに接続。



(10)プロトタイプ

HEADとフロントカウルを取り付けて新機体プロトタイプが完成(2009.9.26)。これでRCB-4HV搭載の「BLACK TIGER ZETA」のProto-Typeが完成した。



(11)加速度センサーの搭載

加速度センサーRAS-2を左側のパーツマウントに設置してRCB-4HVに接続。

(12)KRI-3と無線受信機の搭載

シリアル-ICS 変換ユニットKRI-3を右側のパーツマウンドを設置して上面に両面テープで設置して配線。SIO5〜8に接続。KRR-1は取り外しが容易なマジックテープで設置。

KHR-3HVのバックパックの中にセンサー、無線受信機などすべてコンパクトに収まった。また、dasy chain化したので、配線にもゆとりがある。



これで、ジャイロセンサー、加速度センサーの搭載及び無線受信機の設置を完了し、基本的な機能の搭載が終了したので、モーション作成が開始できる。

4.今後の予定:「ZETA」構想の再転換

基本的な機能の搭載が完了し、トリム調整、ホームポジションの設定を終えてモーション作成を進められる段階まで来たが、当初自律機能強化に寄与すると想定したセンサー端子が現時点で使用できないことが判明し、またRCB-3HVで作成した「NEO」のモーションなどが転用できないこと、RCB-4HVがうまく扱えないことなどから今後「ZETA」の立ち上げには相当の時間が必要と考えられた。

一方、現時点ではRCB-4HV搭載のメリットがdasy chain化による配線の簡素化のみしか見出せない。このため、現時点では、RCB-4HVの使用は時期尚早と判断し、RCB-3HV搭載の「NEO」のモーションなどのソースを生かすため、「ZETA」のコントロールボードをRCB-3HVへ再度変更すると共にコンセプトの見直しを行う。


マイロボット「BLACK TIGER ZETA」の製作 Part 1
マイロボット「BLACK TIGER ZETA」の製作 Part 3


[ゲストブック] [Robot Contents] [Top Page]