新型変則5脚ロボットの製作 Part 4 「BT-L45」



変則5脚ロボット「BLACK TIGER L45(BT-L45)」は第6回KHRアニバーサリー(2010.6.5〜6) の多脚ロボットコンテストで優勝することができ、「BT-L45」は従来の多脚ロボットを凌駕する運動能力を有し、様々な歩容で高速移動が可能であることを実証できた。

「BT-L45」でロボットサバイバルゲームに参加することとして、装備及び機体の整備を行うこととした。

1.サバゲ装備の搭載

(1)砲台の製作
砲台用のミニ電動ガン UZI SMG MINIの余分な部位を切り取った。



ミニ電動ガン制御基板の部品を調達し、 コイズミさん設計のミニ電動ガン制御基板を製作した。





RCB-3HVに接続したが、モーターが回り続けてしまいコマンドHの制御がどうしてもできない。降圧回路は出口では6.125Vでているので、問題は制御回路の方と配線をチェックしたが、配線図のとおりと確認した。コイズミさんから指摘されたチェックポイントも確認したが、モーターが回り続けてしまう原因がどうしても分からなかった。

ほかのメンバーが動作していることから、気付いたこと。KRS-4013HVを使用しているので、シリアル制御をしていることが原因ではないかと、ミニガン制御に使用しているチャンネルCH17をPWM方式に変更したところ、制御が可能となった。また、ミニガンを動作させるときにH、それ以外のときはLにセットすることも分かったので、すべてのモーションのCH17をLにセットし直しした。これでミニガンの制御ができるようになった。

ミニ電動ガンの制御基板が完成したので、ミニ電動ガンを再組み立てした。RCB-3HVのCH17に接続して試射したが制御できており特段の問題なし。



新ミニ電動ガン制御基板の製作
コイズミさんが設計して発注した回路を予備を含めて2枚入手した。回路1枚にはミニ電動ガン制御基板と被弾センサー基板が配線されている。これを切り離して、ミニ電動ガン制御基板に部品をはんだ付けして新基板を2枚作成した。自作の制御基板は2つにわかれているので、1枚にまとまっているこの基板(2枚)を今後は使用することとした。



(2)レーザー照準器の製作
レーザー照準機の部品を調達し、レーザー照準器を製作した。レーザーの電源は3V±10%なので、TOSHIBAの1A三端子正出力ロードロップアウトレギュレータTA48033Sを組み立てた。これは以前、PSDセンサーの増設用電源として製作したことがあり、組み立てに問題なし。



赤色レーザー発光モジュール(円筒)LM-101-A2にコネクタを接続して3.3V電源に接続しやすくした。



赤色レーザー発光モジュール(薄型)LM-102-Bにコネクタを接続して3.3V電源に接続しやすくした。



それぞれ電源に接続して赤色レーザーの発光を確認した。かなり明るく照準がつけやすく特段の問題なし。また、コードと端子の接続部分はホットボンドで固めて保護した。

BT-L45にミニ電動ガンを搭載して、レーザー照準器を取り付けた。ミニ電動ガン及び基板の機体への取り付けにはワンタッチテープを使用することとした。レーザーは照準器として使用できる明るさがあることが確認できた。





照準モーションを作成。照準は上方向に3段階、下方向に2段階の水平方向を加えた合計6個の位置モーションをレーザーの位置を確認しながら作成した。プロポのボタンで上下の位置を動かしてレーザーの照準を合わせSHOOTのためのボタンをさらに押すことでミニ電動ガンを発射する方式とした。位置モーションの相互の移動速度を遅くする(speed 40)と照準が合わせやすい。また、横方向は左右旋回の角度を極小さくすることで照準を合わせることとした。

レーザー照準器とミニ電動ガンの着弾ポイントが一致しないので、レーザー照準器を2基取り付けることとして、電源出力端子が2個の3.3V電源回路を製作した。



電動ガンの銃口の両側に2個取り付けて、照準を定めたが、それぞれの照準がやはり定まらない。レーザー照準は距離が離れると合わせるのが難しい。

(3) 被弾センサーの搭載
被弾センサーの部品はコイズミさんに調達してもらった。コイズミさんの被弾センサーの基板と太陽電池を貼り付けた被弾部分を製作した。被弾部分の針金はホットボンドで固定した。



被弾センサーの基板の配線を終えたが、設置しても被弾センサーが機能しない。動作不良の原因は以下の2点であった。

1)可変抵抗の前後に抵抗を入れいなかった(前後に抵抗がつながった形を可変抵抗との思い込み、抵抗器はそれぞれ3個あるのに使用しているのがそれぞれ2個だったので気付いた)。
2)LEDの記号の読み違えから+極と−極を逆に接続していた(LEDの+極と−極は外見と足の長さで分かっていたが記号を逆に読んでいた。そのため一度もLEDが点灯しなかった)。

可変抵抗器の前後に抵抗を配置し、またLEDの接続を修正した後、コイズミさんご助言の回路の電圧をチェックして回路を確認した。その後、取り扱い方法に沿ってイガアさんのご助言どおりに被弾センサーの欠線部分をつなげた設定したところ、被弾センサーの動作が確認できた。

センサーの感度試験を実施した。センサーをRCB-3HVのAD1に接続して設置。@機体(RCB-3HV)に通電。A被弾センサーをアルミ箔で覆い、可変抵抗器をLEDがリセットスイッチを押しても点灯しない位置に固定。センサーの限界値を500に設定、これを超えたら被弾静止モーションが動作。BRCB-3HVのセンサーモニター画面を閉じる。C機体(RCB-3HV)のスイッチOFF。D機体(RCB-3HV)のスイッチON。ERCB-3HVのセンサーモニター画面を開く(バッテリー11.1V,AD0.15V)Fアルミ箔を少し開いて光を入れる。GADが4Vになり変動値が700以上となり、設定値500を超える。H被弾モーションが作動。改修した被弾センサーは以下のとおり。



被弾センサーの被弾太陽電池部分はミニ電動ガンの後部上に、制御基板は後部横にワンタッチテープで設置することとした。ただ基板が被弾して破損するリスクある。

被弾停止モーションを作成してセットした。DOWN⇒FREE⇔FREEとしてFREEをループにした。AD-1のセンサー値が一定の値をこえると、被弾停止モーションが再生される。一旦被弾停止モーションが再生されると、FREE(脱力)がループとなっているので、以後の無線による操縦は不可能となる。リセットするためには電源をOFFにする。また、被弾センサーの再セットを行う。

新被弾センサー制御基板の製作
コイズミさんが設計して発注した回路を予備を含めて2枚入手した。回路1枚にはミニ電動ガン制御基板と被弾センサー制御基板が配線されている。これを切り離して、被弾センサー制御基板に部品をはんだ付けして新基板を2枚作成した。この基板(2枚)を今後は使用することとした。



(4)USB無線式WEBカメラの搭載
「USB無線式WEBカメラ」(サンコー製7980円)を搭載してレーザーの照準を画像で認識できることを確認した。さらに、ミニ電動ガンにBB弾を入れて、画像を見ながら、レーザー照準を合わせて発射して、着弾の位置を確認した。レーザーの照準と着弾は一致せず、レーザー照準位置の5cm程度上方に着弾していた。当面はこのずれを認識して照準を合わせることで対応する。

機体の動きとカメラの画像のタイムラグは、画像を見ながら照準を合わせるのに当たってはあまり気にならない。また、USB無線式WEBカメラとプロポ操縦機の電波のどどき具合を確認したが、USB無線式WEBカメラよりもプロポ操縦の無線の届きが悪い。機体のアンテナを従来は機体に平行にしてあったが上向きに変更した。

(5)サバゲ用フル装備搭載
ミニ電動ガン、レーザー照準器、被弾センサー直列2個、 USB無線式WEBカメラなどの装備をフル搭載して動作試験を行ったところ、特段の問題なく、ミニ電動ガンを発射しても被弾センサーに誤作動のないことを確認した。USB無線式WEBカメラも動作してPC上での画像を確認した。

ミニ電動ガンと発射制御回路


レーザーユニットと3.3V電源供給回路


被弾センサー回路と太陽電池センサー部


USB無線式WEBカメラ


フル装備したが、装備を搭載する場所が限られており狭い。被弾センサーなどの基板を含めてなんとか搭載することができた。ただ、基板はむき出しなので何らかの対応が必要。搭載の状況は以下のとおり。ようやくここまできた。








(6)新被弾センサーの製作
サバゲの被弾センサーの枠を田中さんより入手した。ボンドで貼り合わせて組み立てた。上部と下部の組み合わせを確認した。





サバゲ被弾センサーに下部に太陽電池を取り付け。太陽電池(3V、22mA)にコードをはんだ付け。電圧の確認すると、一方は3.4Vであるが、もう一方は2.7V程度の出力。2つを直列につないで6.1V。性能チェックは後日。



2.機体の改修

(1)脚の強化

「BT-L44」で脚のグリップの安定化に効果があったので、「BT-L45」の脚のグリップが安定するように頭脚、前脚の足先のアームを逆向きに取り付けた。頭脚、前脚がそれぞれ脚長は1.5cm短くなったので、後脚のアームをロングアームからスタンダードのアームに交換し、さらにレッグプレートを1穴分短くした。頭脚でもレッグプレートを1穴分短くした。

また、足先が太くなったことから、従来の熱帯魚のシリコンチューブが入らなくなったので、代わりにビニールチューブをかぶせた。全体的に機体が安定した。従来のモーションは特段の問題はなさそうだが調整が必要であるが、後日とした。



「BLACK TIGER L45」 脚の改修 2010.6  

(新型変則5脚機体:16軸)



3.弾層の搭載

ミニ電動ガン UZI SMG MINIのBB弾装填数は約50発で戦闘中に弾丸が枯渇することが多かったので、弾層を取り付けることとした。

弾層に適当なものとして、BB弾のホルダーを使用することとし、銃身への装着はワンタッチテープで取り付けることとした。当初はホルダーの先端部分を切って上部に差し込んでみたが、BB弾が詰まって落ちないことが分かった。

そこでホルダーから先端部分を取り外して直接BB弾の取り込み口に装着することとした。BB弾の減り具合が分かるように、また強固に固定できるように、ホルダーにはワンタッチテープを2重に巻き付けた。ワンタッチテープで以外に強固に固定できることが分かった。これでBB弾の発射試験をしたところ、詰まりもなく連続発射できることが確認できた。ホルダーには従来の7倍の約350発のBB弾が装填可能で、弾切れを心配することなく戦闘可能となった。



新型変則5脚ロボットの製作 Part 1「BT-L5」
新型変則5脚ロボットの製作 Part 2「BT-L15」
新型変則5脚ロボットの製作 Part 3「BT-L45」
新型変則5脚ロボットの製作 Part 5「BT-L45」


[ゲストブック] [Robot Contents] [Top Page]