マイロボット「BLACK TIGER α」の製作 Part 1


2009年6月から「BLACK TIGER ZETA」の製作を開始したが、「ZETA」については、コンセプトの変更が続いた。当初は平行リンク足「Murcury」を搭載したが、想定したモーションが再現できずに搭載を中止した。その後「RCB-4HV」が発売されたのでコントロールボードに採用したが、これも当初に想定したセンサー制御が十分できず、また操作性も習得できずに元の「RCB-3HV」に戻した。最終的には「NEO」を凌駕するために製作を開始した「ZETA」は「NEO」を超えらなかった。

このような「ZETA」製作の停滞の中、多脚ロボット製作の動きもあり、「BT-L5」「BT-L15」で動作が実証できた新型変則5脚機をさらに発展させるため、KRS-4013HVを使用している「ZETA」をベースに、新高性能機体「BT-L45」の製作を2010年3月に開始することとした(ロボット製作第5期ターニングポイント)。

今回、「BLACK TIGER ZETA」より小型の新型機「BLACK TIGER α」の製作を開始した。製作コンセプトはハイパワーのサーボを使用し、MELISSAをベースとした中小型万能機とした。また、命名は「BLACK TIGER α(アルファ)」 とした(2011.3.13)。

1.新機体「α」製作の基本的考え方(コンセプト)

(1) 多目的中小型機体(17軸)、ROB-ONE準拠機体、機体重量は2.5kg以下を想定
(2) できるだけ在庫部品で製作
(3) コントロールボードはRCB-3HV、加速度センサーとジャイロ2個搭載
(4) マノイセンサーボード&発声装置搭載
(5) 機体にR-Blueボディー(上部)、胴体ヨー軸あり
(6) 脚ロール軸なし、脚はメリッサレッグフレームA+B(膝はシングルサーボ)、足首は直交軸、足裏はバスタブまたはバスタブ大
(7) 腕は2軸にしてSC-4000L1で繋ぎ軽量化するとともに長さを調整
(8) サーボはKRS-4013HVを使用、脚上部ロール軸にKRS-4014HVを使用

2.新機体「α」仕様(現段階での仕様で順次改訂の予定)

(1)脚部:「MELISSA」レッグフレームA+B
(2)胴体部分:「R-Blue」
(3)胴体旋回軸搭載、足旋回軸なし
(4)腕:軽量化、SC-4000L1で長さを調整
(5)足裏:バスタブソール
(6)コントロールボード:RCB-3HV
(7)センサーボード:MANOIセンサーボード(発声装置搭載)
(8)加速度センサー、ジャイロセンサー2は「ZETA」搭載品

3.RCB-3HVの設定

(1)シリアル制御

PWM制御から「NEO」と同じ、シリアル制御に変更。

(2)「BLACK TIGER α」Channel 配置

4.部品の調達

(1)胴体は「R-Blue」の上部、脚部は「MELISSA」レッグフレームA+B、足首は直行軸、足裏はバスタブソール。コントロールボードはRCB-3HV、加速度センサーとジャイロセンサー2個、KRS-4014HV2個、KRS-4013HV17個。

(2)Head取付台部品確保。自転車ランプの取り付け台の底を削って平らにしてネジ穴をあけた。これでBLACK TIGERのLED Headが取り付け可能となる。

(3)KHR-3HV用のバックパック。マノイセンサーボードと発声装置。

5.機体の製作以下は未定稿

(0)部品の塗装

部品の塗装を行なった。「BLACK TIGER」を踏襲して全体的に黒に塗装する。手先と足裏はタイガーの爪を想定して塗装しない。アームなどを黒に塗装

(1)脚部分の製作(メリッサレッグフレームA+B)
脚部分を組み立てた。足首は直行軸、脚はメリッサレッグフレームA+B、胴体との接続アームは「NEO」のモーションを利用できるように、Channel配置は「NEO」をベースとした。



(2)腕部分の製作(SC-4000L1)
腕部分を組み立てた。サーボ間はSC-400L1で接続し長さが調節できるようにした。手先はSC-4000ARMとした。



(3)胴体上部・下部の製作(RーBlue)
SC-4000B1でサーボを接続し、胴体下部を組み立てた。



Head取り付け部分を組み立てた。



胴体のボディポストネジ穴作成。メリッサの胴体には下側のラージカウル固定用のボディポスト取り付け穴が設けてある。一方、R-BlueボディーTypeRCB(SMRS-001)には下側のラージカウル固定用のボディポスト取り付け穴がない。R-BlueボディーTypeRCB(SMRS-001)の下側にラージカウル固定用のボディポスト取り付け穴を作成した。



(4)機体の組立
組み立て後に配線が難しい箇所に配線をした後、機体を組み立てた。腕基部サーボへの腕取り付けアームは当初SC-40Aを使用したが、腕が胴体に近づきすぎるので、ロングアームSC-4000ARM-Lを使用し、胴体との距離を空けた。あとはバックパックを取り付けてRCB-3HVを搭載して配線。



(5)配線
@電池からRCB-3HVへ配線。RCB-3HVからの距離に応じてコードにコネクタを取り付けて配線。 CH15,16,23,24:40cm、CH13,21:30cm、CH12,20:25cm、CH11,19:20cm、CH17:12cm、CH6:25cm、CH2:20cm、CH4:25cm、CH8:30cm、CH1:20cm、CH5:10cm。

Aアームなどがすれそうな部分をビニールテープでカバー、配線を結束、固定した。ほぼ配線が完成。

(6)ホームポジションとトリム調整
@トリム調整後、ホームポジション設定。シリアルに変更後、再度トリム調整、ホームポジション設定、新機体Proto-Typが完成。

Aスタートアップモーションを設定、また、屈足終了を作成。



「BLACK TIGER α」2011.4 

(自作機体:Open Class 機)


6.KHR-3HV用のハンドユニット「SC-Hand1」の搭載

(1)KHR-3HV用のハンドユニット「SC-Hand1」の組立

KHR-3HV用のハンドユニット「SC-Hand1」に必要なKRS-2552HVは「KHR-3HV拡張用サーボ5個セット」を使用することとした。これは第6回KHRアニバーサリー多脚ロボットコンテスト(2010/6/5)の優勝賞品。これで有効利用が図れる。

ハンドユニットを搭載することにしたので、KRS-2552HVをRCB-3HVに接続することになるが、KRS-2552HVはシリアル専用であり、「BT-α」は既にシリアルで動作させてあるので、直接接続可能と判断した。

「BT-α」のRCB-3HVに接続したところ、動作しない。サーボにはIDが0が1個,3が2個,5が2個に書かれていたが、0のみ動作することが分かった。KRS-2552HVはIDが0でないとRCB-3HVでは動作しないことが分かったので、IDの書き換えを行った。

以前「BT-ZETA」製作のために入手したRCB-4HVの1式があったので(ソフトはすべてPCにインストール済み)、PCに「シリアルUSBアダプターHS」をセットして「RCB-4HV」を接続、ID書き換えのためにサーボをRCB-4HVに接続した。ここで「ID書き換え用ソフトIDW-01」を立ち上げ、サーボからIDを呼び出してIDを確認、やはり3または5が書き込まれていたので、0を書き込んだ。念のため再度IDを呼び出して0であることを確認した。これですべてのサーボのIDを0に書き換えた。その後、すべてのサーボをRCB-3HVに接続して、動作することを確認した。

サーボが使用できるようになったので、ハンドユニットを組み立てた。特段の問題もなく組み立て終了したが、ハンドユニット2個は左右対称に2個製作しなければならないところを同じ向きに製作してしまったことを発見。1個を反対向きに組み直した。KRS-4013HVに取り付けるためのサーボアームが不足しているので、組立はここまでとした。



あとは「サーボアーム 4000B ブラック(メタルインサート)(KO-01211)」をサーボアーム2500Aのホーン部分と接続してKRS-4013HVに取り付ければ完成。

(2)ハンドユニット「SC-Hand1」の搭載

「BT-α」は本体への負担を少なくするために腕の重量を軽く設計した経緯があるが、今回の「ハンドユニット」搭載で腕の重量負担がどの程度増加するか、交換するハンドユニットの重量と交換する腕部分の重量の違いを測定予定。また、長さも測定したが、交換する部分の長さは14.5cm。ハンドユニットを搭載した場合の長さも概ねこの長さになる見込み。



KRS-4013HVを2個つなげるためのジョイントをラジアルマウントAを90°ずらしてねじとナットで接続した。この下側サーボに「サーボアーム 4000B ブラック(メタルインサート)(KO-01211)」を「サーボアーム2500A」のホーン部分と接続して取り付ける。



ハンドユニットを搭載することにより「BT-α」のChannel配置の変更を行った。胴体旋回軸を含めて脚部分に変更はなし。両腕をそれぞれ5Channelを割り当てるChannel配置とした。 「BLACK TIGER α1」Channel配置

「BLACK TIGER α」ハンドユニット(SC-Hand 1)搭載2011.5 

(自作機体:Open Class 機)


7.基本モーションの作成

基本動作@前進、C後退、D左右横移動、Eジャンプ旋回、F両面起き上がりなどを作成し、運動性、機能性の検討。

8.今後の予定

マイロボット「BLACK TIGER α」の製作 Part 1
マイロボット「BLACK TIGER α2」の製作 Part 2
マイロボット「BLACK TIGER α3, α2-2」の製作 Part 3
マイロボット「BLACK TIGER ACE(α2-2)」の製作 Part 4


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