マイロボット「BLACK TIGER α4」の製作 Part 5


「BLACK TIGER α2-2」は、ハンドユニット、音声ユニットを搭載して、「NEO」との差別化をはかってきたが、これら搭載したユニットの効果的な使用方法を未だ見出せていない。

一方、脚ロール軸をなくしたことから、脚付け根サーボが上下逆の取付となったため、脚部が「NEO」に比べ長くなったことにより、重心が上へ移動し、歩行が十分に安定してしない。(ROBO-ONE機体レギュレーションでは脚長はピッチ軸から足底まで長さとされている ので、脚の伸長とはならず「NEO」と同じ長さに留まっているので、メリットがない)

脚ロール軸追加のための、在庫部品、サーボが利用可能なことから、以下の改造を行い、「NEO」と同じ脚構造となる「BLACK TIGER α4」とすることとした。これでモーションの完全移設ができて動作すれば、「BLACK TIGER ACE」と命名する。

@脚ロール軸を追加して直行軸化し、脚部はBT-NEOと同じ構造(チャンネル配置)とする。ハンドユニットの搭載は維持することとし、腕のチャンネル配置はNEOと同じとする。
Aハンドユニットの指サーボのチャンネル配置は、余剰のチャンネルとし、これを分岐して両腕の指に使用する(過剰負荷防止のため、使用時以外は接続しないこととする)。
B音声ユニットの搭載は中止する(軸数の余裕のある他機体に利用)。

これでBT-α4はハンドユニット以外はBT-NEOとほぼ同じ構造となり、「NEO」のモーションがそのまま利用可能となる。ただ、ハンドユニットの搭載により腕の長さが短くなる一方、ハンドユニットの重量増がNEOに比較して追加負荷となる。

(1)BT-α4準備

1)ジャイロセンサー
BT-α4のピッチ軸ジャイロはBT-NEOと逆向きに設置されているので、ジャイロの方向を逆方向に設置した。これで「NEO」のジャイロ設定がそのままBT-α4に使用可能となった。

2)加速度センサー
BT-α4の加速度センサー(RAS-2)値は上向き85、上向き45°125、直立216、下向き45°300、下向き325で、上向き起上の設定値は120、下向き起上の設定値は310としている。

BT-NEOの加速度センサー(RAS-1)値は上向き425、上向き45°407、直立375、下向き45°345、下向き336で、上向き起上の設定値は415、下向き起上の設定値は345としている。

BT-NEO(RAS-1)とBT-α4(RAS-2)の加速度センサーはタイプが異なるので、モーション設定時に設定値に留意する必要がある。

3)「BT-α4」のChannel配置を「NEO」と同じに設定。ハンドユニットの指サーボのチャンネルは、余剰のチャンネル「CH9」とし、これを分岐して両腕の指に使用する(過剰負荷防止のため、使用時以外は接続しない)。分岐には「NEO」の二股コードを使用する。

(2)「BT-α2-2」から「BT-α4」への組換え
@脚上部ピッチ軸、ロール軸サーボの取り外し
A胴体の取り外し
B胴体ヨー軸、脚ヨー軸部分を組立
C脚上部直行軸作成
D本体組立
E配線とCH替え
FスイッチON、トリム調整ON、スタートアップモーション書き込み、屈足終了モーション
Gトリム調整

「BLACK TIGER α4」音声ユニット撤去及び脚部とチャンネルの「NEO」化(ハンドユニット搭載) 2013.10 

(自作機体:Open Class 機 3 kg 以下)


(3)「BT-α4」へ「BT-NEO」のモーション適用
@トリム調整を行ったが「BT-α4」は、ハンドユニットの搭載で、重心が「NEO」に比べて後に移動していることが判明した。
A「BT-α4」用ホームポジションHPAを作成。
CH12 -1400 CH20 -1400
CH13 1300 CH21 1300
CH14 1300 CH22 1300
CH15 -1300 CH23 -1300⇒HPA:CH15 -1500 CH23 -1500(-1400でもよいが若干緩い)

B前進モーション
各ポジションについて CH15 -1300 CH23 -1300⇒CH15 -1500 CH23 -1500に変換したところ、モーションが再現できた。「BT-α4」用に適用変換したモーションには「NEO」のモーション名に「A4」を付記した。

C後退モーション
2通りあった後退モーションの後傾姿勢の弱いモーションについて CH15 -1300 CH23 -1300⇒CH15 -1400 CH23 -1400とし、終了ポジションは CH15 -1500 CH23 -1500としたところ、モーションが再現できた。

D直立モーション、審査モーションを調整。

E横移動モーションのうち、横右モーションは CH15 -1300 CH23 -1300⇒CH15 -1500 CH23 -1500に変換したところ、モーションが再現できた。横左モーションを新たに「NEO」の横右モーションから左右変換でモーションを作成した。横左モーションは「NEO」のモーションのCH16とCH24のジャイロ設定値が5のところ、-5に設定されていることが判明。また、前方向に曲がるので、閉脚のポジションのCH15とCH23に-200追加したところ真横に移動するようになった。

F中高速自動起上モーション
「BT-α4」の加速度センサー(RAS-2)値は上向き85、上向き45°125、直立216、下向き45°300、下向き325で、上向き起上の設定値は120、下向き起上の設定値は310としている。
「BT-NEO」の加速度センサー(RAS-1)値は上向き425、上向き45°407、直立375、下向き45°345、下向き336で、上向き起上の設定値は415、下向き起上の設定値は345としている。
「BT-NEO」(RAS-1)と「BT-α4」(RAS-2)の加速度センサーはタイプが異なるので、「BT-α4」の自動起上モーションの上向き、下向き自動判定部分と「BT-NEO」の上向き、下向き起上モーション部分を組合せて作成した。このモーションは転倒の自動判定を行うので、転倒していなければ起上モーションは動作しない。

G屈足両起上モーション
「BT-NEO」(RAS-1)と「BT-α4」(RAS-2)の加速度センサーはタイプが異なるので、「BT-α4」の自動起上モーションの上向き、下向き自動判定部分と「BT-NEO」の屈足両面起上モーション部分を組合せて作成した。このモーションは転倒の自動判定を行うので、転倒していなければ起上モーションは動作しない。

H旋回左右Jモーション
「BT-NEO」の旋回左右JモーションのHPポジションについては CH15 -1300 CH23 -1300⇒CH15 -1500 CH23 -1500に変換し、各ポジションについては CH15とCH23をそれぞれ-200追加したところ、「BT-NEO」のモーションが再現できた。

I正拳、後拳モーション
HP及び「かまえ」のポジションのCH15、CH23について、各-200追加したところ、モーションが再現できた。

J旋回前拳、後拳モーション
HP及び「かまえ」のポジションのCH15、CH23について、各-200追加し、旋回前拳右左、旋回後拳右左を作成した。また、一方は上ポジションを追加したモーションを作成した。ただ、旋回が45°程度で十分旋回できないので、さらに工夫が必要。

K左右拳モーション
HPのポジションのCH15、CH23について、各-200追加したところ、モーションが再現できた。

(4)腕構造の「NEO」化
ハンドユニットを撤去して、腕構造を「NEO」化して、機体を「NEO」化することとした。必要となるパーツが到着。作業開始前に写真撮影。

「BLACK TIGER ACE(α4)」脚部とチャンネルの「NEO」化(ハンドユニット搭載) 2013.12 

(自作機体:Open Class 機 3 kg 以下)



(参考)「BLACK TIGER α」の改造バージョン(名称:定義)と掲載Part

BT-α(0):プロトタイプ(メリッサ脚) Part 1
BT-α(1):ハンドユニット搭載(メリッサ脚) Part 1
BT-α2:膝ダブルサーボ化(ハンドユニット)Part 2
BT-α3:腕伸長(膝ダブルサーボ)Part 3
BT-α2-2:ハンドユニット復元(脚上部サーボKRS4034HV換装)Part 4
BT-α4:脚「NEO」化(脚ヨー軸サーボKRS4013HV追加)Part 5

Part 1:プロトタイプ(メリッサ脚)からハンドユニット搭載(BT-α0,BT-α1)
Part 2:膝ダブルサーボ化(BT-α2)
Part 3:腕伸長の試行(BT-α3)
Part 4:ハンドユニット復元(脚上部サーボKRS4034HV換装BT-α2-2)
Part 5:脚「NEO」化(脚ヨー軸サーボKRS4013HV追加)

マイロボット「BLACK TIGER α」の製作 Part 1
マイロボット「BLACK TIGER α2」の製作 Part 2
マイロボット「BLACK TIGER α3」の製作 Part 3
マイロボット「BLACK TIGER α2-2」の製作 Part 4
マイロボット「BLACK TIGER α4」の製作 Part 5


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