マイロボット 「BLACK TIGER NEO 」 の製作 Part 3


「BLACK TIGER NEO」には既にMANOIセンサーボードを搭載し、RCB-3もセンサーボード対応1.1aにグレードアップを済ませている。今後は自律機能を強化して自律バトルなどに対応できるようにすることとした。

1.PSD(光位置センサ:Position Sensitive Detector)センサーの搭載

PSDセンサー(SHARP GP2D12)の端子は@Vo(+)、AGND(−)、BVcc(信号)となっている。一方 MANOIセンサーボードの端子は@GND(−)、AVo(+)、BVcc(信号)となっている。したがって、MANOIセンサーケーブルの端子のプラスチックの押さえを起こすと@とAが引き出せるのでこれらを入れ替える。これで市販(千石電商秋葉原本店2Fで入手可能)のPSDセンサーGP2D12がMANOIセンサーボードへ接続可能となる。マノイセンサーボードに取り付けて感度を調べたが、MANOI距離センサーと同等の感度があった。



PSDセンサーを左右の手のサーボの横に各1個、胴体の正面に1個、計3個を結束バンド4本を組み合わせてそれぞれ固定した。結束バンドを使うとネジ穴が不要な上に割りと強固に固定が可能



背面に更に1個PSDセンサーを取り付けた。ボードカバーの上では転んだときにダメージを受けるのとセンサーが働かない可能性あるので、左ヨー軸のサーボの背面に取り付けることとした。



PSDセンサーは1個最大50mAなので3個で150mA、4個で200mAh消費する計算になる。インテレクトのNi-H電池は750mAhで8Cまで放電可能とのことであるが、4個搭載して電池がもつかどうか懸念されるので、マノイのセンサーボードに4個のPSDセンサーを接続した場合、「BLACK TIGER NEO」が作動するかテストする必要がある。

マノイのセンサーボードに4個のPSDセンサーを接続し、RCB-3から通電して、4個のPSDセンサーが発光しているのを確認後、プロポで歩行モーション、旋回モーション、攻撃モーション、起き上がりモーションが動作するか試験した。

その結果、モーションの動作に特段の問題がないことがわかった。これで4個のPSDセンサーを搭載して自律動作の可能性が高まった。最終的に自律プログラムを動作させて動作可能かチェックするが必要ある。


2.第1回マノイセンサーボードセンサールール試験

「BLACK TIGER NEO」:PSDセンサー4個(前後左右)
●搭載センサールールNo5
1)目標未感知⇒探索
○前方センサー目標未感知⇒探索:@左旋回30度(Aカウンターが3、90°左旋回したら前進3歩、4方を感知しているので3回90°で充分)
(○右横センサー目標探索:設定なし)
(○左横センサー目標探索:設定なし)
(○後方センサー目標探索:設定なし)
2)目標捕捉⇒接近
○前方センサー目標捕捉⇒接近:@前進4歩
○右横センサー目標捕捉⇒接近:@右横3歩
○左横センサー目標捕捉⇒接近:@左横3歩
○後方センサー目標捕捉⇒防御:@左旋回30°A左旋回30°B左旋回30°(90°左旋回、横拳攻撃の準備)
3)転倒判定(PSDセンサーで上向き・下向きを判定⇒RCB-3の加速度センサーで上向き・下向きを判定⇒両方向起上りモーション作動)
○前方センサー1200(1300)〜3000⇒起上:加速度センサー感知付両方向起上モーション(倒れていれば作動・倒れていなければ作動しない)
○後方センサー1800(2000)〜3000⇒起上:加速度センサー感知付両方向起上モーション(倒れていれば作動・倒れていなければ作動しない)
◎転倒した場合のセンサー設定値はセンサーと床が接近しているため(10cm以下)正確な値を設定できない。1200以上を設定するのが無難か?ルールの判定では問題がない?近接・攻撃の判定の前に設定すべき。
4)目標近接⇒攻撃・撤退
○右横センサー接近感知⇒攻撃・撤退:@右拳A後退3歩
○左横センサー接近感知⇒攻撃・撤退:@左拳A後退3歩
○前方センサー接近感知⇒(起上)攻撃・撤退:@加速度センサー感知付起上モーション(倒れていなければ動作しない、倒れた場合動作して起上り、後のモーションを自動再生するから前方センサー接近感知を続ける)A正拳B後退3歩C左旋回30°
○後方センサー接近感知⇒(起上)回避:@加速度センサー感知付起上モーション(倒れていなければ動作しない)A左横移動3歩B後退3歩(ABは目標の横に回り攻撃への位置取り)

●結果と考察
1)全体の自律連続動作は確認。モーションはすべて問題なく作動。電池の持続時間9分を確認。
2)前方自動感知起上と後方自動感知起上は動作を確認。
3)攻撃のセンサー値の設定値が高過ぎる(近すぎる)ので攻撃到達距離を確認する必要あり。

第2回センサールールNo5試験
◎攻撃到達距離とセンサー測定値(測定対象:コピー用紙)
・正拳右20cm〜23cm:前方センサー20cm(1675)〜23cm(1485)で設定値を1500とする。
・右拳25cm〜28cm:右センサー25cm(1310)〜28cm(1168)で設定値を1200とする。

◎結果と考察
・PSDセンサーの感知が依然甘いし曖昧。センサーの感知とロボットの動きが予測できない。要検討。


3.第3回 「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールール試験

「BLACK TIGER NEO」:PSDセンサー4個(前後左右)
○搭載センサールールNo7(センサールールの順序を入れ替えた)
1)転倒判定
2)目標近接⇒攻撃・撤退
3)目標捕捉⇒接近
4)目標未感知⇒探索

○結果と考察
1)前回より攻撃の頻度が高くなった。⇒実戦に使えそう
2)ただ、まだ予測できない動作をする。⇒ルールのツリーが不完全。
3)前方自動感知起上と後方自動感知起上は動作を確認。⇒確実に動作し起上る
4)攻撃までにラグタイムがある。⇒要検討
5)電池の持続時間は11分を確認。⇒電池は十分。センサーボードとPSDセンサー4個を搭載しているにもかかわらず、ほとんど搭載前の持続時間と同じなので負荷が小さい。
6)動作中に右手のセンサーからコードが外れた。⇒はずれないように配線

○今後の方針
・自律バトルのセンサールールのプロトタイプが完成(なんとか自律バトルの試戦には使えそう)
・目標は自分のプロポ操縦以上。
・広い場所、動く標的での検証の必要あり。
・ルールのツリーの完成度を高める。
・移動モーションは歩数を少し多くしたほうが良いかもしれない。
・前方攻撃を強化すべき。


4.第4回 「MANOIセンサーボード(HRP100)」 ルール試験

「BLACK TIGER NEO」:PSDセンサー4個(前後左右)
○搭載センサールールNo9(<状況2>を追加してジャンプ)
<状況1>
1)転倒判定
2)目標近接⇒攻撃・撤退⇒<状況2>へジャンプ
3)目標捕捉⇒接近⇒<状況2>へジャンプ
4)目標未感知⇒探索
<状況2>
1)転倒判定
2)目標近接⇒攻撃・撤退⇒<状況1>へジャンプ
3)目標捕捉⇒接近⇒<状況1>へジャンプ
4)目標未感知⇒探索
○ラグタイムの解消
各モーションを見直してモーションの始めのHPのspeedを短縮。助言をいただいた城間さんに感謝。
○前方攻撃を2段にした。

○結果と考察
前方センサーのコードがはずれて検証が十分出来なかった⇒配線のやり直し。また、広い場所でないと十分に検証できない。

○今後の方針
「BLACK TIGER NEO」MANOIセンサーボードによる自律センサープログラムの検証のため、自律「BT NEO」と無線操縦「BT」と試戦させる。当面の目標は無線操縦の「BT」に自律「BT NEO」が勝ること。広い場所および動く目標におけるセンサープログラムを検証する。


5.第5回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 ルール試験

センサールールは第4回と同じ設定No9。広い場所(ROBOSPOT)にて検討を行った。

1)2Lの水入りペットボトルの外側を広告用紙で覆った静止目標に対する自律バトル試験。

サッカーの中央のサ−クルの中心に目標を設置し、ロボットはセンターサークルの外側においてスイッチON。 写真を十分にとる時間もなく非常に短時間に接近して倒すことに成功。静止した目標は正確に捉えることができることを確認した。



2)動く目標としてROBOSPOTのKHR-2HV(引間さん操縦)と自律バトル試験。

動く目標も捉えることができることを確認した。特に両サイドに捉えた場合は高確率でアタックして倒すことを確認した。今回は動きを予測することができ、ルールのツリーが設定どおりに実行されていることが確認できた。動きが速く十分に写真が撮れなかった。引間さんにROBOSPOTのブログに動画を掲載していただいた。感謝。



今回の試験でMANOIセンサーボードが十分に実戦につかえることがわかった。また、目標とした自分の操縦以上の動きは達成できた。ただ、改良すべき部分はまだまだ多い。⇒前後の感知があまいので前後にPSDセンサーを各1個追加搭載する。追加に伴い正拳左モーションを改良する。センサーの追加で電源に問題ないかをチェック。

3)PSDセンサーを前後に各1個ずつ追加して合計6個搭載した。また、捕捉後の左右旋回モーションと正拳左モーションを改良して搭載した。6個のPSDセンサーを搭載しても電源が十分か、各モーションをチェックしたが特段の問題がないことが分かった。

4)PSDセンサーが2個追加したことで、センサールールを追加修正版No10を作成した(基本コンセプトはNo9と同じ)。

「BLACK TIGER NEO」PSDセンサー x6 搭載 2007.12


「BLACK TIGER NEO」の手先を付け替えたが、導線を引っ掛けるのを防ぐためと、タイガーの爪をイメージした。


6.第6回MANOIセンサーボードセンサールールNo.10試験

センサールールN09の追加修正版No10を作成し、ROBOSPOTで検証を実施した。基本コンセプトはNo9と同じ。追加修正部分は以下のとおり。
1)PSDセンサーを前後に各1個ずつ追加して合計6個搭載した。センサー2個追加に伴いセンサールールを追加した。
2)後方捕捉後の左右旋回モーションを30°3回繰り返しから90°1回へ変更(迅速化)した。
3)前方左右にPSDセンサーを配置したことで、正拳右モーションに加えて、正拳左モーションを改良して搭載した。また、前方攻撃後の後退モーションにつづく旋回30°モーションを中止した。
4)前方及び後方の起上り感知のセンサー設定を1200〜3000に修正した(1200以上でも特段の問題なし) 。

○結果と考察

1)後方捕捉後の旋回モーションを90°一回に変更したが、旋回モーション90°後に、目標を見失うので、さらに接近の横移動モーションを追加した方がよさそう。

2)前後のセンサーを2個にしたが、まだまだ全体的にセンサーの認識があまいので工夫が必要。

3)前方攻撃がヒットしないのでモーションの工夫が必要。

4)転倒した場合に、後方近接ルールに入り、それがループになって、転倒感知ルールに入らない。また、後方に転倒しているのに横攻撃のループに入ることもあった。原因は不明。後方転倒のセンサールールはPSDセンサーと接地面との距離が短いが、前方及び後方の起上り感知のセンサー設定を1200〜3000に修正したのが原因なのか、また、センサーの接続等がうまくいっていっていないのか、ルールの設定に問題があるのか要検討。ただ、センサールールをNo9に戻すと転倒しても後方捕捉のループにならず、うまく転倒感知ルールが作動した。⇒転倒ルールは前方1個、後方1個で感知しているが2個ずつで感知した方が良いかもしれない。

5)ルール設定の検討中に自律動作が止まる現象が起きた。一旦スイッチを切り入れ直すと動作した。原因は不明。

6)No8 センサーを交換したが、その後、ルールの書き換えができなくなり、通電しなくなった。ボードがダウンした模様。原因は不明。センサールール試験No10は一旦中止。⇒センサー交換の際の配線の誤りが原因と判明。配線し直してボードへの通電が再開しボードが正常なことを確認した。故障でなくてよかった。

7)BLACK TIGER を目標として持参したが、整備不足で十分に作動させられなかった。目標としてはペットボトルで十分かもしれない。

8)プロポ操縦のロボットに対しては自分のプロポ操縦以上に動作するので一定の自律バトル能力は確認できた。ただ、まだまだセンサールールの設定が不完全。動作がループになるのもボードのプログラム設定規則を十分理解できていないことが原因かもしれない。プロポ操縦に対抗できる自律バトルのセンサールールの完成を目指す。


7.第7回MANOIセンサーボードセンサールールNo.10.1試験

No10.1の改良点は1)転倒起上判定を前後各2個のセンサーで別々に設定。判定の時間が増加するか検証の必要あり。2)後方捕捉後の旋回90°に加えて横移動モーションを追加した。

○結果と考察

前回の試験で転倒した場合に、後方回避ルールがループになって転倒判定がされない現象があったが、転倒起上判定を前後各2個のセンサーで別々に設定したら、後方回避ルールのループへ入ることなく正常に転倒判定がなされた。ただ、判定の時間が長くなったかは明確ではなかった。これでループ現象の回避方法が分かった。

このル-プ現象の原因は同じセンサーでほぼ同じセンサー設定値がなされていると、状況1と状況2をループにした場合、直近の行動設定(モーション)が繰り返されることが判明した。これがルール(センサー)設定方法の問題なのかプログラムのバグなのかは不明。

同じセンサーでほぼ同じセンサー設定値の2つの(行動設定は異なる)ルールが続くと、どちらか一方しか判定されないのかもしれない。要検証。

転倒時のセンサー測定値は以下のとおり。前方No6:2097〜2110、No8:2150〜2172、後方No14:1323〜1356、No16:1381〜1400。


8.第8回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.11試験

センサールールNo.11の検証を実施した。周りに障害物がない場所で1m四方のボード上で実施。ボードの下に布団を敷いて防音した。No.10.1からの追加修正部分は以下のとおり。

1)胴体前方及び後方の2個のセンサーを腕の前方に移設した。また、これに伴い前方中央と後方中央にセンサーをそれぞれ1個追加し、前後各3個、左右各1個の合計8個にした。

右手前のセンサーNo8⇒行動設定のモーションは右前と同じ
左手前のセンサーNo6⇒行動設定のモーションは左前と同じ
中央前のセンサーNo7⇒行動設定のモーションは右前左前各1回
右手後のセンサーNo14⇒行動設定のモーションは右後と同じ
左手後のセンサーNo16⇒行動設定のモーションは左後と同じ
中央後のセンサーNo15⇒行動設定のモーションは捕捉では旋回90°+横移動、近接では屈足攻撃+旋回90°

2)転倒起上判定を前後各3個のセンサーで別々に設定。

○結果と考察

1)目標を4個設定して捕捉・攻撃の試験を実施したが、目標を端に設置した場合に、攻撃後の後退モーションで落下しやすいことが分かった。攻撃モーションの後に後退モーションを入れた方がよいかは実戦から判断する。⇒自律バトルでは目標への接近が原則。これなら目標のいない場外への落下はない。

2)目標を中央に設置した場合は、落下せずに目標を短時間で倒すことに成功。前方の目標を正確にヒットするようになった。



3)起き上がりは特段の問題はなかった。ただ、周りにバスタオルを敷いておいたがその上に倒れた場合に起き上がりがうまくいかないケースがあった。センサーとの距離が極端に近くなったためではないかと推察。

4)前方攻撃のラグタイムが長くなった。⇒転倒検知にための時間か?加速度センサーを導入した方がよいかもしれない。

5)後ろ右のセンサーの前にコードがかかったため、モーションがループになった。ただ、この旋回90°+横移動は繰り返すとその場を回るようになるので探索時の攻撃回避、探索範囲の拡大に応用できそう。

6)起き上がりがうまくいかないことがあったが、ロボットの加速度センサーがずれていた。両面テープで再固定した。

7)後方捕捉のモーションは旋回90°に横移動モーションを追加したが、追加した方がよいのかは実戦から判断。

8)試験中にロボットが停止することが2回ほどあった。前回の試験でもこの現象はあったが、原因は不明。

9)PSDセンサーが8個になったが、電池の持続時間に特段の問題なし。また、前後それぞれ3個になったことで前後の感知範囲が広くなり、目標をほとんど感知・捕捉できるようになった。

10)総合的に評価するとまずまず出来か。あとは実戦で検証する必要あり。

11)状況を多層化しての攻撃の多様化と防御・攻撃回避の強化は検証の後とする。

12)MANOIセンサーボードエディターでファイルを印刷するとセンサー設定の内容と行動設定のモーションが印刷されることが分かった。センサールールをプリントアウトすると間違いを見つけやすい。誤りを2箇所発見した。

13)センサールールをセンサーボードに送信すると「送信したデータと書き込まれたデータが一致しませんでした。正常に転送されませんでした。」がPCに表示されて、センサールールの書き換えが出来ないことがあるが、原因は不明。⇒書き換えができない場合は、RCB-3との接続回線をはずし、PCを再起動、COM設定後、書き込みをすると書き換え可能であった。


9.第9回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.11試験⇒No10.1試験

センサールールNo.11(PSDセンサー8個)についてROBOSPOTのバトル練習会で検証しようとしたが、No.11が不調のためNo.10.1(PSDセンサー6個)での検証となった。No.10.1は前回のセンサールールNo.10.1と同じだが、変わったところは、前後各2個のセンサーの位置が胴体から手に移動したこと。

参加機体は、クロムキッド、ガルー、ナーガ、デカール、GAT。イガアさんにビデオ撮影していただいた。ビデオを分析したところ、クロムキッドには完敗したが、一部撃ち合いのよいところあり、また、前進したところカウンターでダウン。ガルーにも完敗、一部撃ち合いのよいところあり、その後センサーに異常が出ている。ナーガにはカウンター気味の正拳が決まりONEダウンとるも投げられて完敗。GATには攻撃が頻繁に出ているが後退時に転倒して自滅。デカールからONEダウンとスリップダウンで一勝。

一部撃ち合っているところもあり、モーションの移行にラグタイムがあり、ここを攻撃されるので改良が必要、ラグタイムを解消し常時動いていることが必要。正拳の右と左がヒットしていない、前方攻撃を強化すべき。前進したところをカウンターパンチをくらっている、横移動で接近すべきか?トータルで30点位のできか?



○結果と考察

1)No.11で自律動作させたところ、ロボットが停止することが頻繁に起こった。前回の試験でもこの現象はあったが、頻度が格段に多くなった。原因は不明。⇒回避のためにセンサールールをNo.10.1(前後のセンサー各2個)に戻した。また、前後の中央のセンサーを外したところ、停止することがなくなった。⇒センサーの接続をチェックする必要あり。

2)後ろ近接の場合の回避モーション(横移動+後退)の歩数が少なく、攻撃位置につけない。⇒移動の歩数を増やす。

3)左右拳をより効果的なモーションに修正する必要あり。

4)前方攻撃をより効果的なモーションに修正する必要あり。

5)No.10.1に戻したことにより、結果的にセンサー前後各2個、左右2個で合計6個での検証となったが、前後のセンサーは各2個で十分かもしれない。

6)状況数は2で十分かもしれない。この状況間を移動するとともに、状況1と状況2のモーションをそれぞれ変えて攻撃の多様化と防御・攻撃回避の強化を工夫する。複雑化をさける。Simple is best.

7)モーション間でジャイロが切れるので連続してジャイロ効かすように修正する必要あり。

8)起き上がりはトラブルなし。⇒ただし、ラグタイムをなくすために転倒判定は直接3軸加速度センサーで感知させる方法に変更を検討。

9)No.16のPSDセンサーの取り付け穴が破損した。急遽使用してないNo.15のセンサーと交換した。PSDセンサーは消耗品。予備を準備しておく必要あり。

○ラージサイズのカウルが発売されていたので1個購入。これで電池が楽に入るようになる。

○MANOI姿勢感知センサー/3軸加速度センサーを入手した。転倒判定は直接3軸加速度センサーで感知させる方法に変更の予定。途中停止の解明の後に加速度センサーを導入する。


10.MANOI姿勢感知センサー/3軸加速度センサーHRP105の搭載とセンサールールNo.12

1.3軸加速度センサーHPR105の搭載
「BLACK TIGER NEO」の正面肩右上に両面テープで貼り付けて搭載した。マニュアルどおりに転倒感知しやするするためにDIPスイッチを2つとも上側に切り替えた。また、ショートを避けるため上面を両面テープで覆った。センサー端子No.1に接続した。



2.PSDセンサー6個と加速度センサーを接続して、センサー表示をさせたが、タイムアウトはなし。ただし、PSDセンサーを1個ないし2個追加するとタイムアウト頻発。やはりPSDセンサーは6個が限界。

3.センサールールNo.12の設定

1)転倒判定は直接3軸加速度センサーで感知させる方法に変更。
  センサー設定値は上向き 0〜1200、下向き 2800〜4095
2)PSDセンサーは前後各2個、左右各1個、計6個を腕に装着。
3)状況1と状況2の間をジャンプ。
4)余分な設定(チェックなし)を消去。
5)センサーの設定範囲の重複をさける。
6)前方攻撃のモーションを修正し、2タイプを連続。
7)後退モーションを変更。歩数は4歩と6歩として攻撃後は4歩、後ろ近接は6歩とした。
8)後方補足モーションを旋回90°のみとし、横移動を削除。

4.センサールールNo12.1の設定

前回の実戦で後退モーションの不安定からスリップダウンで自滅した反省から、攻撃後の後退モーションは適当かを検討した。
@無いほうがよいのか?⇒連続攻撃がしやすい、転倒のリスクなし、リングアウトのリスクなし、攻撃にさらされやすい。
A移動の利点は?⇒攻撃を回避、攻撃の多様性、転倒リスクが少ない高速移動可能の横移動がベター、リングアウトのリスクは増加する。
BとりあえずHit&Awayを重視して、攻撃後の移動を後退から横移動に変更し実戦で検証する。
右拳⇒左横、左拳⇒右横、正拳右⇒左横、正拳左⇒右横
C左・右攻撃強化⇒左・右拳を連続2回

5.センサールールNo12.2の設定

攻撃後の移動モーション設定なしを作成。Hit&Awayがよいのか無いのがよいのかを実戦で検討。


11.第10回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.12,12.1,12.2試験

(1)センサールールNo.12,No12.1,No12.2の試験。
準備した2Lペットボトルを静止目標に、No12は攻撃後後退、No12.1は攻撃後横移動、No12.2は攻撃後移動なし。その他の攻撃モーションなどは同じに設定。

結果と考察
@No12は攻撃後の後退でやはり動きが不安定になり転倒の確率が高くなる。
ANo12.1は攻撃後の動きが安定して転倒リスクは低い。
BNo12.2は攻撃後の動きが安定して転倒リスクは低い。
Cいずれのセンサールールも攻撃はほぼヒットしているが、前方がヒットしない傾向。前方攻撃の組み合わせより前廻し2回の方がベター。
D後方補足の旋回90°後の接近移動はあった方がよい。歩幅は少なめか。
E加速度センサーによる起き上がりに特段の問題なし。
FNo12.1、No12.2いずれもときどきフリーズした。No12.2の方がNo12.1より頻度が高い。原因不明。

(2)センサールールNo12.1の実戦試験

なんと幸運にもメタリックファイターと対戦することができた。これ以上の対戦相手はいない。お相手をしていただいた森永さんのご厚意に感謝。センサールールはフリーズが少なかったNo12.1とした。



結果と考察

撃ち合いのよい場面もあったが完敗。なんとかパンチがヒットして2ダウンとれた。前回のバトル練習会のNo12よりNo12.1の方がよさそう。少しずつよくなっているが40点位の出来か。起き上がりには問題なし。動作のループもなし。

一方、 ときどきフリーズして迷惑をかけてしまったが、原因は不明。センサールールの設定の問題か、センサーボードの処理能力の問題かは不明。これを明確にしないと自律バトルの信頼性が向上しない。


12.第11回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.13,13.1,13.2試験

PSDセンサー5個(左右の腕の前面に各1個(No6,8)、左右の腕の側面に各1個(No10,12)、後面の胴体中央に1個(No15)の合計5個でセンサールールNo.13(攻撃後後退移動)、No13.1(攻撃後横移動)、No13.2(攻撃後移動なし)を試験。方法は第8回センサーボードルール試験と同じ。周りに障害物がない場所で1m四方のボード上で実施。2Lの水入りペットボトルを紙で巻いたもの4本を静止目標とした。

結果と考察

1)攻撃の安定性、ロボットの安定性などから、@No13.2、ANo13.1、BNo13の順。攻撃後の無駄な動きはない方がよさそう。また、接近戦の方が迅速な連続攻撃が可能な自律バトルには有利。
2)試験中にフリーズしてセンサーが感知しなくなる現象は一度も発生しなかった。PSDセンサーを5個にしたことでフリーズは回避できたようで、明らかに信頼性が向上した。
3)ロボットが停止することが2〜3回あった。このときはセンサーは生きており手をかざすと攻撃、探索を開始した。停止することがないセンサールールを設定しているはずであるが原因は不明。ただ、実戦の中ではそれほど問題はなさそう。
4)前方補足の接近は単に前進させているが、カウンターパンチを受けるリスク回避のため、90°旋回後、横移動で接近させる方法とどちらがよいか今後検討。両方をとり混ぜる方法もあり。

今後の方針

これまでの試験でセンサーボードに問題なく接続可能はPSDセンサー数が5個と分かったので、これからはこの制限の中で、移動と攻撃の精度を高める方向で検討を進める。
1)目標
ROBO-ONE一線級のロボットからONEダウンをとれるレベル。現在の完成度は70%位か?
2)基本設計と考え方
@PSDセンサーは5個(左右各1,前2,後1)⇒後ろにもう1個搭載したいが5個が限界。多いほど死角が少なくなるが迅速な移動でカバー。
A状況は1,2の2段階⇒攻撃の多彩化を図るためにもう1つあってもよいが、当面は検討しやすい2状況で検証。
B攻撃後の移動は横移動となしの2とおり⇒ロボットの安定化のために無駄な動きを抑える。攻撃のための接近移動で防御の移動は充分。攻撃は最大の防御。接近戦は迅速な連続攻撃が可能な自律バトルには有利。これを当面使い分けて検証。
3)センサールールと行動
@前方接近を、前進接近と90°旋回後横移動を混ぜて実戦で検証する。⇒カウンター攻撃の回避
A精密化を行う。⇒PSDセンサーの設定範囲と歩数などの設定を再検討。
Bラグタイムの解消を継続。
Cフリーズではない途中停止の原因解明。
D15cm以内に接近されたときの対応検討。

○ラージカウルを装着したが、ロボットが逞しくなった。電池の装着も容易になった。中にスポンジを入れて電池を安定したので、重心などには影響なし。倒れたときの衝撃の吸収もよさそう。

「BLACK TIGER NEO」PSDセンサー×5・ラージカウル搭載 2008.2



13.第12回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.13.1+13.2試験

(1)MANOIセンサーボードコントロールの状況の設定による戦略の切り替え

1)状況1を戦略の切り替えに使用
 ・状況1からそれぞれの戦略(状況X)へジャンプ

2)状況1の戦略の切り替え方法
 ・5個のPSDセンサー各2個セットでセンサールールを設定
 ・PSDセンサーの感知範囲は1800〜4095とする
 ・行動設定でジャンプ先の状況Xを設定
 ・PSDセンサー2個セットでの組合せは誤作動のリスクが低い
 ・PSDセンサー2個セットでの組合せを両手で操作
 ・センサー5個では多くの組合せが可能。ただ、両手で背後から操作し易い組合せは3通りくらいか。
  @横左(前左)+横右(前右)⇒状況2(+状況3)=戦略1へジャンプ
  A後ろ+横右(前右)⇒状況4(+状況5)=戦略2へジャンプ
  B後ろ+横左(前右)⇒状況6(+状況7)=戦略3へジャンプ

3)切り替え方法はスイッチをOFF⇒ONにして両手で操作(動作中は変更不可)

4)スイッチのON&OFFの短時間で戦略が変更でき臨機応変な対応が可能
5)No13.1(攻撃後横移動)+No13.2(攻撃後移動なし)を作成

(2)状況1における戦略の切り替えなどをROBO SPOTにて試験した。

結果と考察
・PSDセンサー2個一組での戦略の切り替えがスムースに可能であった。
・後退のモーションがうまく動作しなかった。要修正。
・イガアさんのKHR-2HVをベースとした新型機(約1.6kg)と実戦したが、重量差(BT NEOは2.56kg)もあり互角以上の戦いができた。
・センサールールNo.13.1と13.2どちらがよいかは判断がつきにくい。適宜様子を見て切り替えるのがやはりベターか。
・前回のKONDO CUPの時と同じ様に足裏の取り付けネジがはずれた。長めのネジと交換することにした。


14. 第13回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.13.1+13.2試験:はじめてのバトルトーナメントにおける実戦試験

ロボプロステーション in TECH.C Vol.5に「BLACK TIGER NEO」で参加した。会場は東京テクノロジーコミニュケーション専門学校の2F。2回のバトルトーナメントに自律で参加。バトルトーナメントの1回目はイガアさんのナーガに敗れて準優勝。バトルトーナメント2回目は優勝。



結果と考察
・スムースに戦略の変更ができた。No13.1(攻撃後移動)の方が、No13.2(攻撃後静止)よりもよさそう。
・実戦中のフリーズは一切なし。起き上がりも問題なし。
・後退モーションは転倒が多いので、後方近接感知後の横移動+後退モーションの後退モーションを急遽削除した。そのため背後に着かれたときの移動攻撃が不十分となった。後退モーションはプロポでは転倒しないが、センサーボードでは転倒が多い。ホームポジションのspeedの設定に問題があるのか?原因不明。後方防御のために急遽屈足の旋回攻撃モーションを加えた。多少防御効果はあった。後退モーションと背後に付かれた時の後方への攻撃が今後の課題。
・軽量の機体が相手の場合は十分優位に戦いができることが確認できた。ただし、重量級のナーガには完敗。
・PSDセンサーが2個破損した。1個は取り付けの部分が破損、1個はセンサーの受光部の上が破損して破損した部分が折れ曲がり受光部にかぶさりモーションがループになった。センサーは消耗品、予備を多く準備する必要あり。
・No6センサーのセンサー値が高値のままに留まる現象があったが、センサーの端子がボードで外れかけていためと判明。
・No10センサーの端子の接続部分がやはり不調、要交換。
・センサーの端子の固定が不十分ではずれることが多いので接続・固定の工夫が必要。
・センサールールには規則性が高いので読まれない工夫が必要。攻撃をかわされる。


「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 1」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 2」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 4」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 5」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 6」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 7」


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