マイロボット 「BLACK TIGER NEO 」 の製作 Part 6


自律バトル能力アップのために3.3V電源ボードを製作して搭載できるPSDセンサー数を増やして八方向9個を配置し、さらに小型超音波センサーを搭載するなどしてきた。しかし、増設した3.3V電源ボードPSDセンサーシステムのPSD設置、配線など信頼性が十分でなく、自律バトル能力のUPは期待したレベルには達していない。また、PSDセンサーの誤作動が疑われる状況も見られた。「BLACK TIGER NEO」の配線を改善すると共に自律バトルシステムを再構築した。

1.「BLACK TIGER NEO」の配線改善

「BLACK TIGER NEO」の攻撃は旋回前方拳及び旋回後方拳が重要であり、これらのモーションがより円滑に発動できるように以下の改善を実施した。
・胴体旋回の遊びを確保して足りないものは長いものと交換。
・腕の配線は外側配線も検討したが遊びが少なくてすむ内側配線を踏襲して中央上からボードへ。ボードカバーの上部中央を大きく切除した。
・足の配線は外側配線も検討したが旋回の容易さから内側配線を踏襲した。
・胴体下部の後ろカバーに5mmの台付きネジを使用して後方の配線の空間を広げた。約7mm広くなった。これで旋回時の配線の引っ掛かりが少なくなった。もう少し台の高いものに交換した方が配線の空間の余裕がでる。ただし、胴体の旋回時の配線の引っ掛かりに注意が必要。



・ケーブルスパイラルは太いものから細いものに替えた。滑りはまずまずだが束ねたコードの柔軟性が悪くなるので短く切って使用した方がよさそう。
・後方のボードカバーはラージを使用しているがこれでも小さい。配線が収まりきらず、胴体の旋回に支障がでるので、ボードカバーの下面をほとんど切除した。

2.センサー配線の改善

増設分のPSDセンサーの配線にもMANOIセンサーケーブルを使用することとし、センサーコネクタから信号線を除く2本を抜いて、そのままMANOIセンサーボードに接続したので、従来の購入したコネクタを信号線に接続した場合よりも接続の信頼性を高めることができた。また、2本の電源線には近藤科学のコネクタを取り付けてこれを3.3V電源ボードに接続した。

3.小型超音波センサーの搭載を中止

小型超音波センサーについては、使用ノウハウが十分でないことから、使用を中止した。小型超音波センサーは「BLACK TIGER 8」の自律バトルシステムに搭載して使用ノウハウの蓄積を図ることとした。

4.PSDセンサー増設場所の変更

増設したPSDセンサーを斜め方向に4個増設し、八方向を円で捉えるシステムとしていたが、捕捉能が向上しなかったので、以下の改善を実施した。
・センサーの配置は前面4個(左右腕前面各1個、左右足旋回軸サーボ前面各1個)、後方3個(左右腕後面各1個、胴体中央1個)、左右腕横各1個の合計9個。従来の8方向の補捉から面で捕捉に戦略変更。
・従来の5個(左右横各1個、足旋回軸前面2個、後ろ中央1個)はセンサーボードへ直接接続。電源はセンサーボードから。
・従来の追加45°の4個分は、左右腕の前面に各1個、後面に各1個を配置変更。電源は3.3V電源ボードから。センサーボードへの配線は信号線を同じコネクタで接続、電源ボードへは2本の線をサーボ用のコネクタを取り付けて電源ボードへ接続。これらの専用コネクタの使用により接続が強固になった。



5.自律バトルセンサールールX1の作成

●Zシリーズからの改良点
@センサーを8方の円配置から四角面配置(腕の前後横に設置)に変更。PSDを前面4個、後面3個、左右各1個、合計9個を配置。センサー専用コネクタを使用して信頼性を向上。小型超音波センサーの使用中止。
A捕捉のセンサー設定範囲の400〜1200を500〜1200に、探索のセンサー設定範囲を0〜400を0〜500に修正(500⇒400への変更はY6⇒Y7作成時)。誤認識の防止。
B下向起上のセンサー値を2800〜4095から2600〜4095に変更。
C攻撃は中接攻撃1200〜1799、近接攻撃1800〜4095の2段階攻撃は堅持。
D横移動の歩数を4歩から3歩へ減らす。離れすぎと競技台からの落下防止。
E旋回前拳・旋回後拳の精度向上。旋回攻撃の中止。
F起上りモーションの誤作動はRCB-3へ接続した加速度センサーによるチェックで防止。

●センサールールX1基本設定
状況1:PSDセンサー2個によるスタート、前進後、状況2へジャンプして自律バトルモードへ
状況2:転倒判定(転倒したら状況4へジャンプ)、近接攻撃、中接攻撃、捕捉接近、探索(すべてモーション実行後は状況3へジャンプ)
状況3:転倒判定(転倒したら状況4へジャンプ)、近接攻撃、中接攻撃、捕捉接近、探索(すべてモーション実行後は状況2へジャンプ)
状況4:転倒判定(転倒したら状況2へジャンプ)、近接攻撃、中接攻撃、捕捉接近、探索(すべてモーション実行後は状況5へジャンプ)
状況5:転倒判定(転倒したら状況2へジャンプ)、近接攻撃、中接攻撃、捕捉接近、探索(すべてモーション実行後は状況4へジャンプ)
転倒により2通りの異なる戦略を自動的に相互移行する。

「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 1」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 2」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 3」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 4」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 5」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 7」


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