マイロボット 「BLACK TIGER NEO 」 の製作 Part 4


1.「R-Blue Body SMRS-001」の搭載

「BLACK TIGER NEO」には、胴体のヨー軸がなかったが、イトーレイネツから「R-Blue Body SMRS-001」が発売されたので、イトーレイネツのSC-4000BFとKHR-1の旋回軸キットを組み合わせた現在のボディーと交換することとした。

(1)ボディー部品の塗装

部品を黒に塗装した。



(2)上半身と下半身の組み立て

上半身の幅は旧機体とほぼ同じであるが、下半身のサーボの位置がそれぞれ5mm程度外側となっている。胴体(上半身+下半身)の高さは11cmとなり、旧機体(12cm)より1cm低くくなっている。



(3)足取り付けアームの交換

胴体を「R-Blue Body SMRS-001」に交換したことで、足の旋回軸と足の根元の直行軸の取り付けアームに長いアームを使用する必要がなくなり、短いアームと交換した。



(4)PSDセンサーの設置

後方のPSDセンサーは、旧機体ではサーボに結束バンドで取り付けていたが、下半身の背面にネジで取り付けた。



(5)スイッチの設置

スイッチ(HVスイッチ電源ハーネス)は、旧機体では背面のボディーシャシの穴に嵌め込んでいたが、操作がしやすい上半身の側面に格子を切り取りはめ込んだ。



(6)配線

足の配線は、旧機体では外側に配線していたが、手が配線に引っ掛かるトラブルが多かったので、足の間隔が1cm広がったこともあり、内側にケーブルガイドで配線した。



(7)センサー類の設置

ロール軸のジャイロ、RCB-3接続の加速度センサー、MANOIセンサーボード接続の加速度センサーは旧機体ではHeadの両側に取り付けていたが、胴体の中に設置した。



「R-Blue Body SMRS-001」を入手後、1週間で搭載を完了し、サーボ、センサーの動作を確認した。旧機体と比較して両足の旋回軸(ヨー軸)のサーボ( Ch10,CH18)が前後逆になっており、またそれらのサーボの位置がそれぞれ5mm程度外側となっている。モーションは動作するが調整が必要。今後は、ヨー軸を生かした攻撃モーションなどに注力の予定。

「BLACK TIGER NEO」R-Blue Body SMRS-001 搭載 2008.3



2.第14回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.Y2-1試験:yaw軸を搭載してはじめての実戦試験

ロボプロステーション in TECH.C Vol.6のバトルトーナメントに自律で参加して優勝。
戦略は攻撃後静止、移動@、移動Aの3とおりをPSDセンサーで選択。yaw軸を使った後拳を設定。Y1-1の攻撃パターンを改良してY2-1を作成。なお、yaw軸を使った旋回モーションを組み込んだY2-2も作成したが、床面の滑り具合が不良のため試験は中止。

結果と考察
・戦略の変更はスムースにできた。攻撃後移動の方が攻撃後静止よりもよかった。
・実戦中のフリーズは一切なし。起き上がりも問題なし。
・背後に付かれたときのyaw軸を利用した後方への攻撃(後拳)が効果的であったので、懸案の背後からの攻撃の防御ができている。
・軽量の機体が相手の場合は十分優位に戦いができることが確認できた。
・試合中数回突然起き上がりモーションが再生された。加速度センサーの誤作動と考えられるが原因は不明、要検討
・試合中カウルの下から電池が脱落した。以前のボディはカウルを3点で止めていたが、新ボディは上部2点のみとなったため。要検討。


3.電池の固定

試合中カウルの下から電池が脱落したので、「BLACK TIGER NEO」のカウルの中で電池が動きにくいようにアルミの受け台を取り付けた。受け台はKHR-1の破損した手のアルミパーツを充当。裏側から両面テープで固定した。てこの原理で強固な固定ができた。カウルの下にもう1点カウル固定用のピンを取り付けたいが構造上困難。フロントカウルにも電池の荷重の負担がかかり、カウルの取り付け穴付近が割れていたので新しいカウルと交換した。現時点ではしっかりと固定されている。




4.第15回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.Y3-1試験:自律で初めての公式戦

第1回KONDOバトル大会に「BLACK TIGER NEO」で自律で参加した。
ダウン(スリップダウンも含む)したとき(不利な状況)に戦略の移行をセットした。すなわち、転倒感知(上向き、下向き)の際に、戦略の自動移行(状況間のジャンプ)を行う。3つの戦略をループにする。ダウンするごとに移行して、3ダウン(スリップダウンを含めれば最小2ダウンから最大5ダウン)までにすべての戦略を1試合で試すことができる。また、PSDセンサーによる開始設定によりどの戦略からでも始められる。

結果と考察
2回戦でさくら2号と対戦。スリップダウン1回。リング際で目標を捕捉できずに場外へ落下、ワンダウン。ただし、相手の攻撃によるダウンはなし。十分に戦えないうちに終了した。ランブルにも参戦。ここでは互角に戦えたが、終盤でリングから落下。

ランブル前に控え室の1m四方の練習コーナーでデカール(道楽さん)とヨゴローザ(ダウトさん)に練習相手をしてもらったが、ここではほぼ互角の戦いができていた。

今回のセンサールールは3つ1)攻撃後静止、2)攻撃後移動@、3)攻撃後移動Aを準備した。起上モーションが再生される毎に移行するようにプログラムしていたが、対さくら2号戦では起き上がりがなく、1)のみで終了。リングアウトのリスクを考慮して1)からスタートしたが、2)3)まで移行しなかったのが残念。ランブルでは2)3)へ移行した。また、ランブルでも終盤リングアウトしたが、2)3)のリングアウトのリスクは1)と同程度か。

練習試合では2)3)へ移行したが、攻撃後の移動モーションが非常にうまく再生され攻撃をかわすことができていた。実戦ではやはり2)3)が適している。


5.第16回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.Y4-1試験

RTバトルカップに予選Dグループに「BLACK TIGER NEO」自律で参加した。自律で2回目の公式戦。
センサールールNo.Y4-1は前回の第1回KONDOバトルの結果から、攻撃後静止のみと攻撃後移動@と攻撃後移動Aの間を起上がりモーション再生でジャンプするようにプログラムした2とおり。これをPSDセンサーで開始設定。

結果と考察
1勝2敗で7位。1回戦は竜鬼Uに公式戦で自律で初勝利。センサールールが順調に作動し竜鬼Uの調整が不十分なうちに対戦したので勝利することができた。2回戦は舞妓さん4号、センサールールが誤作動して3ダウンで自滅。3回戦はGIYさん操縦のミャノイ02と対戦。ワンダウンとるも肩サーボのコネクタが外れ、タイムを取るもこれに気付かず自滅。

練習試合ではうまく作動するが、なぜか本番で不調。練習試合ではサーガと互角に戦えた。誤作動の原因は不明。突然、サッカーのモーションが再生された。しばらく動作させると誤作動が起こるようだ。センサールール設定とセンサーボードに原因がありそう。要検討。

バトル大会に自律で参加する場合には、手で触れなければPSDセンサーに手をかざして誘導することは問題ないことに気づいて、団扇でPSDセンサーを感知させて誘導することにした。これでリングアウトはなくなった。早く気がつけば昨日のリングアウトも防げた。

とにかく自律で対プロポで公式戦で1勝できたことは大きな前進。自滅したが相手の攻撃によるダウンはなし、リングアウトもなし。あと一歩のところまできた。


6.足旋回軸取付変更

yaw軸を加えたことで上半身が重くなり、モーションがしっくりできなくなった。足上部の直交軸は後部のロール軸に足旋回軸を取り付けているが、上半身が重くなったために、前部のピッチ軸の負担が大きくなった模様。「BLACK TIGER NEO」の立ち上げ初期に、旋回が容易になると考えて足旋回軸の取り付けを前部ピッチ軸から後部ロール軸へ移したが、旋回には期待したほど効果がなかったので、再度前部ピッチ軸へ移すことにした。足の付け根のピッチ軸を後ろへ下げて旋回軸に直接取り付けた。




7.第17回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.Y5A試験

芝浦工大ロボフェスティバル2008 のバトルトーナメントに「BLACK TIGER NEO」(自律)で参加した。自律での3回目の公式戦。センサールールNo.Y5Aは前回のRTバトルカップの結果から、誤作動を前提とした対応策を実施した。
@センサーボードの負荷を少なくする。⇒静止ルールは実戦での状況から不要と判断して削除した。攻撃後移動@,移動Aで状況各2で合計4状況で作成。移動1と移動A間の移行は転倒時自動移行するようにセットした。
A静止ルールを削除したので、センサー2個による戦略の選択の必要がなくなったので、戦略選択のための状況1は削除した。
B状況の設定数は戦略選択のための1個、攻撃後静止のための2個を削除して7個から4個へ削減。
CRCB-3に搭載するモーションを必要なものに厳選した。
D転倒のおそれのあるモーションは自律バトルモーションの付近から離れた位置に配置(特にサッカー関係)。
E起上モーションにはRCB-3の加速度センサーで転倒をダブルチェック(転倒していなければ動作しないように設定)。
F低速シリアルによる誤作動を防止するため、低速シリアルの切り替えコネクタを機外に設置。自律バトル時には切断。
Gセンサールールを新規に作り直した。

結果と考察
・1回戦は不戦勝、2回戦はAonari2に1ラウンド3-2、2ラウンド2-2、3ラウンド2-2で最後は機体の加熱によりAonori2がリタイヤして勝利。公式戦2勝目。

・2回戦のAonori2戦は1ラウンド5分で3ラウンドをフルに戦った。Aonori2と充分互角に戦えている(ただしAonori2はサーボ4個換装のSR機)。この間、以前みられた誤作動は一切なかった。センサールールを新規に作り直した効果が大きいと考えられる。やりにくい自律の相手をしていただいたAonari2に感謝。

・左右拳は十分効果があり、ヒットしたダウンはほどんど横からの攻撃。前方への強力な必殺攻撃が課題。

・前方攻撃と後方攻撃が弱い。後方の攻撃が弱いのと後方センサーが1個なのでここから攻められた。

・1ラウンドで3-2で勝利して終わりかと思ったら、3ラウンドの2ランドを勝たなければならないことがわかった。3ランドも戦ったので試合が進んだ後半はセンサールールを完全に読まれていた。3回戦のクロムキッドにもセンサールールを完全に読まれていた。

・対クロムキッド戦のセンサーの誤作動の原因は、センサーNo3のコネクタが、ダウンまたは攻撃の際の衝撃で、センサーボードから抜けたためと判明。MANOIセンサーコードのコネクタは甘くて抜けやすいので抜けないような対策をしておく必要あり。前回のRTバトルのミャノイ戦ではサーボからコネクタが外れて腕のサーボの具合がおかしくなった。タイムをとったが原因が発見できず敗退した。試合中に故障したら即座に原因を発見して対応することは難しいので試合前の整備が不可欠。自律バトルでは試合前にセンサーのチェックを十分しておくべきである。

・対クロムキッド戦の敗因の一つは腕のリーチの差とスピード。BTNの腕は足の約100%にしているので、リーチ差が歴然であった。また、接近のスピードと正確さが十分でなかった。移動モーションの完成度が低く、懐に飛び込んでの攻撃射程内の接近戦ができなかった。自律は連続しての攻撃が可能なので接近戦に向いている。

・前進、横移動などの移動モーションが不完全なので攻撃の切れが悪かった。修正が必要。


8.前方PSDセンサーの移動

「BLACK TIGER NEO」の前方センサー2個を両腕から胴体前面に移動した。センサー間を狭めることで捕捉感知の向上が期待できることと腕の位置を任意に設定できるようになる。


9.第18回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.Y6試験

第4回KHRアニバサリー自律バトルオープンクラスに参加しての実戦試験。センサールールNo.Y6は前回の芝浦工大ロボフェスタの結果から、
@「BLACK TIGER NEO」の前方センサー2個を両腕から胴体前面に移動した(センサー間を狭めることで捕捉感知の向上が期待できることと腕の位置を任意に設定できる)。
A旋回前拳、旋回後拳を取り込むことで前方と後方の攻撃力をアップした。

結果と考察
・自律KHRバトルトーナメントに出場の「ROBOSPOT」とエキジビジョンマッチで3回対戦して3勝した。また、エキジビションマッチで優勝機「コディガア」と対戦して勝利。重量差もありKHRクラスには対プロポでも負けないレベルになっている。
・旋回前拳、旋回後拳を取り込むことで前方と後方の攻撃力をアップしたが、対自律ではほとんど接近戦となり、効果的なカウンター攻撃ができなかった。
・旋回前拳・旋回後拳のようなカウンター的な攻撃と接近戦に向く旋回攻撃(対プロポで後ろからの攻撃の防御のため)のモーションを両方組み込んでおいたが、接近戦用の攻撃が効果的であった。ただ、旋回攻撃のような接近戦用の攻撃は重量の軽いKHRクラスなら通じるがORCではカウンター攻撃でないとダウンは取れない。
・自律バトルでは相手が接近してこないので探索の感度を上げた方がよい。先に捕捉した方が先に攻撃ができる。
・自律バトルでは接近戦になり効果的なカウンター攻撃ができないので攻撃後の移動距離は長めにした方がよい。
・攻撃も感知距離によって接近戦とカウンター攻撃に分けた方が効果的と考えられる。
・今回も以前みられた誤作動は一切なかった。センサールールを新規に作り直した効果が大きいと考えられる。
・前進、横移動、旋回などの移動モーションが不完全なので攻撃の切れが悪かった。抜本的な修正が必要。


10.第19回「MANOIセンサーボード(HRP100)」 センサールールNo.Y7試験

第4回KHRアニバサリーの自律バトルのエキジビジョンマッチの結果から、
・前方と後方の攻撃は接近戦用と遠隔戦用に分けて距離によって使い分ける(1200〜4095⇒1200〜1800+1800〜4095:境界ラインは実戦で検証)。
・探索感知の感度を上げる(500⇒400)。



結果と考察
@前方と後方の攻撃を接近戦用と遠隔戦用に分けて感知距離によって実行を分けたが、旋回前拳、旋回後拳が生きるようになった。1800がやはり適値か。
Aフリーズではないが、探索行動が実行・連続しなくなることが3回ほどあった。センサーの感知範囲を0〜399と感度を上げたことが原因か。従来は前右のセンサーのみの感知としたが、前左のセンサーにも感知させていずれもジャンプさせることとした。
B移動モーションが不正確で切れがわるい。あとは移動モーションの修正。


「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 1」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 2」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 3」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 5」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 6」
「マイロボット BLACK TIGER NEO の製作 Part 7」


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