マイロボット「BLACK TIGER」の製作 Part 7

第22回KONDO CUP KHRクラスでは「BLACK TIGER 9」を使用したが、移動モーションが安定しないことから、脚構造を変更することとした。

従来のKHR-2HVタイプの脚構造の組み立ては、以下のとおり「マイロボットIKT-1の製作 Part 3(2)IKT-1の足の組替え 2」を踏襲して作成した。すなわち、SC-78X-A,SC-78X-B及びサーボアーム700Aをベースにかぎ型のKHR-2タイプの足を製作した。なお、「BLACK TIGER 9」では下側のサーボにはKRS-2350HVを用いていた。

1.脚構造の完全「KHR-2HV」化

今回は、KHR-2HVの補修用かぎ型パーツを使用して、KHR-2HVと同等の脚を製作することとした。なお、かぎ型の下側のサーボに使用していたKRS-2350HV 2個は、脚の最上部に使用することとした。

換装が認められているハイトルクサーボ4個をどの部分に使うかはそれぞれのビルダーのコンセプトにより違っている。2個は横歩きの強化と両面起上りで胴体にロール軸として必須、残り2個を機体の安定のため、足首に使用することにこだわってきたが、新構造に改変するこの機会に、これを足上部に移してみることとした(新構造では足首にKRS-2350 HVを換装できるように部品を加工することが難しいこともあった)。結局、ザウラー2と同じ構造とすることとした。

この「BLACK TIGER 9」の脚構造改良型を「BLACK TIGER 10」とすることとした。これで、「KHR-2HV」の脚構造とほとんど同じになることから、モーションがより安定することが期待できる。

(1)パーツを黒に塗装した。



(2)かぎ型パーツにサーボKRS-788HVを取り付けた。以前の脚構造よりやはりコンパクトな構造となった。




(3)「BLACK TIGER 10」の組立て

かぎ型脚を取り付け、足上部にKRS-2350HVを配置して、機体を組み上げた。ボードカバーには新規に調達してあったものを使用した。

「BLACK TIGER 10」KHR-2HV脚構造+Bathtubsole-L 2010.10 

KHR-1 KHR-2HV化(KRS-2350HV×4):KHR Standard 機


4個のKRS-2350HVのうち2個の換装位置を変更したので 「BLACK TIGER 10」Channel配置 を作成した。

(4)「BLACK TIGER 10」への「KHR-2HV」サンプルモーションの移設

組み上げたKHR-2HV脚構造でHPを作成し、サンプルモーションのHPとの階差を算出、これをtrimで増減して調整したところ、「BLACK TIGER 8,9」で変換して使用していた(sample)モーションがそのまま利用できることを確認した。

「BLACK TIGER 10」への「BT 8,9」KHR-2HVサンプルモーション移設再調整法、要するに
1)サンプルモーションのHPをload。
2)Trim調整画面でこのHPを正しいHPに補正する(再修正としてこのTrimを保存しておく)。


この方法で簡単に調整が可能なことが分かった。HPはサーボの状況でだれたりするので、この方法で再調整、微調整をするとサンプルモーションが利用しやすい。

「BT-8,9」で使用していた、両面起上、左右横移動、すり足旋回左右、キーパーモーション(保持)、左右キックはそのまま使用できることを確認。要は前進、後退の歩行モーションのみについてHPの厳密な調整が必要。

これでとりあえずKONDO CUP KHRクラスに対応可能となった。ただし、サッカーフィールドで動作試験の必要はある。従来の疑似KHR-2HVかぎ型脚よりモーションが安定しているように思われる。

2.胴体部分の再生修復

「BLACK TIGER β」の胴体部に「6th ROBO-ONE Technical Conference(2005年6月4日開催)」で配布された「KHR-1用KRS-2350換装ボディ」を使用することとしたが、これは「BLACK TIGER」の胴体部分に使用していたため、「BLACK TIGER」を分解してこれを回収した。したがって、「BLACK TIGER」の胴体部を再生修復する必要がある。

@「KHR-2HVロールサーボ換装用ボディーフレームセットSC-CVK20X」を「BLACK TIGER」の胴体に使用するために、 ショルダーユニット取り付け用のねじ穴を開けた。これでサーボが取り付けられ「BLACK TIGER」の再生修復が可能となる。



Aショルダーユニットのねじ穴が緩くなっているので、この際に新しいショルダーユニットに交換した。

B「KHR-2HVロールサーボ換装用ボディーフレームセットSC-CVK20X」の上部に取り付ける「KHR-1用トップカバー」の 前部のボディポストにかかる部分をやすりで削り取った。また、ネジ穴にネジを取り付けると「KHR-1用トップカバー」を固定できることが分かった。これで、胴体部分を「KHR-2HVロールサーボ換装用ボディーフレームセットSC-CVK20X」で代替が完成し「BLACK TIGER」のベースボディは「KHR-1用トップカバー」以外はKHR-2HVとなった。



C機体を組み立てた。また、取り外したジャイロを設置した。

D配線を完了。動作を確認して再生修復の終了した。

これで「BLACK TIGER」は胴体の上部の「KHR-1用トップカバー」と足底をのぞいて「KHR-2HV」となった。

3.バスタブソールの変更

足のバスタブソール大をバスタブソールに交換してKHR-1のラージソウルを装着した。これは以前の「BLACK TIGER NEO」の足と同じ、ただし滑り止めのゴムは装着せず。バスタブソール大はKHR-2HVには大き過ぎるので、KHR-2HVのバスタブソールに交換。さらに安定を増すためにKHR-1のラージソールを装着した。

「BLACK TIGER 10」KHR-2HV脚構造(Bathtubsole + Large Sole) 2010.12 

KHR-1 KHR-2HV化(KRS-2350HV×4):KHR Standard 機


4.ラージカウルへの変更

カウルをラージカウルに交換した。カウルの内側にスポンジを 張り付けてカウルを安定させた。

「BLACK TIGER 10」 ラージカウル装着 2013.8 

KHR-1 KHR-2HV化(KRS-2350HV×4):KHR Standard 機



5.KRS-2350HV換装位置の変更

「BLACK TIGER 10」の不安定の原因は4個換装サーボKRS-2350HVの換装位置。ver.10の「BLACK TIGER 10」の換装位置は足の付け根2個と脚の上部2個。これで足元がパワー不足となっているので、動作が不安定になっている。再度KRS-2350HVを足元2個と足の付け根2個に変更することとした。

以前に入手してあったKRS-2350HV換装用のかぎ型パーツの上部にKRS-788HVを取り付け(ver10と同じ)、下部に脚上部(ver10)のKRS-2350HVを取り付けた。脚上部にはKRS-788HVを取り付けた。



このKRS-2350HV換装用のかぎ型パーツでKRS-2350HV4個を足の付け根2個、足首ピッチ軸2個の換装機体を「BLACK TIGER 11」とした。4個のKRS-2350HVのうち2個の換装位置を変更したので 「BLACK TIGER 11」Channel配置  を作成した。

「BLACK TIGER 11」 KRS-2350HV換装位置変更 2014.4 

KHR-1 KHR-2HV化(KRS-2350HV×4):KHR Standard 機


6.フットユニット(KHR-2HV)への変更

「BLACK TIGER 11」に取り付けてあった、Large sole を「BLACK TIGER NEO」に使用したので、 KHR-2HVのフットユニットを「BLACK TIGER 11」(2014.8引退)に取付て「BLACK TIGER 12」とした。これで「BLACK TIGER 12」はほぼ「KHR-2HV」化された。「BLACK TIGER 12」は永久保存としたい。



「BLACK TIGER 12」フットユニット(KHR-2HV)への変更 2017.1 

KHR-1⇒KHR-2HV化(KRS-2350HV×4):KHR Standard 機


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